「 コリーニ事件 」
フェルディナント・フォン・シーラッハ 【著】
酒寄 進一【訳】
東京創元社(2013/04発売)
新米弁護士のライネンは大金持ちの実業家を殺した男の国選弁護人を買ってでた。だが、被疑者はどうしても動機を話そうとしない。さらにライネンは被害者が少年時代の親友の祖父だと知る。
「犯罪」「罪悪」に続く、シーラッハの3作目。
前2作の短編集とは違い今作は初の長編ながら
頁数は200弱と短めで、むしろ中篇と言った感じ。
しかし内容的にはそんじょそこらの長編小説じゃ束になっても敵わない位、深い。
被疑者が決して語ろうとしない殺人の動機については途中で薄々察しが付くものの
どうしても分からないのは、何故今なのか?と言う事。
そしてその理由が明らかになった時の衝撃は、それこそガツンと殴られる様で
おそらくこの作品を読んだほとんどの人が同じ様な衝撃を受けるのではないだろうか。
だからこそ、この作品はフィクションでありながら、政府をも動かすことになったのだろうから。
by hasikkoami
| 2015-06-21 17:04
| 図書館