「きつねのつき」
北野 勇作【著】
河出書房新社 (2011/08/30 出版)
悪夢の事故が町を呑み込み、その直後、春子は生まれた。私は人の面を身につけながら、私と妻と娘、3人の家を守る。そう決めたのだ…。震災後の世界に贈る、切ない感動に満ちた物語。
「珍しく可愛らしいの読んでるね」
表紙を見て長男が言った。
「そう思う?でもほら・・・」
そう言って私が見せた裏表紙に彼は一瞬固まった。
そこには目玉と歯がふわふわと漂っていた・・・
こんな可愛らしい顔(表紙)して
これは紛れも無くホラーだった。
そしてとびきり優しく切ないファンタジーでもある。