「これはペンです」
円城 塔【著】
新潮社 (2011/09/30 出版)
文章の自動生成装置を発明し、突飛な素材で自在に文章を生み出す叔父とその姪を描いた表題作と、存在しない街で現実・夢・記憶の世界を行き来する父と息子の物語「良い夜を持っている」を収録。
????・・・数行読み始めた時点で私の頭の中は?で一杯になり
3度程読み返したところで、頭で理解しようとするのを諦めた。
驚いたことにこの作品、円城塔作品としてはかなり分かりやすい部類に入るらしい
・・・っていつもは一体どれだけ難解なの?とまずそこにビックリ!
で結局最後まで?は消えることはなかったけれど不思議と読後感は悪くない。
それに併録の「良い夜を持っている」が凄くよかった。
こちらも訳が分からないことには変わりないし
どこが良かったのかと聞かれても答えようがないのだけれど
しみじみと美しい話だと思った。
そしてこちらを読んでからもう一度表題作を読み返すと
やっぱり訳は分からないままだが
(きっと何度読んでも私には理解することは出来ないだろう)
これまたしみじみと美しい話だと思えてくるから不思議。