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図書館の隣の映画館

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本と映画と時々音楽

<   2016年 03月 ( 11 )   > この月の画像一覧

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公式サイト
2014年 フランス
上映時間 93分
監督 ジャン=ポール・ルーヴ


季節は巡りゆく。

思い出だけを残して―。





"○○の仕方"系の邦題が嫌いです
見つけ方、はじめ方、つくり方、の
ロブ・ライナー『最高の人生』シリーズなんて
作品は悪くないのに、タイトルは最悪だと思う
同じく本作も、取ってつけたようなタイトルは何とも残念だけれど
作品としてはとてもよかったemoticon-0100-smile.gif

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夫に先立たれ、住み慣れたアパルトマンから
老人ホームへ移り住むことになったマドレーヌ
定年を迎え、妻との関係がギクシャクし出した息子ミシェル
祖母や父母のことを気にかける、心優しいロマン

3世代それぞれの思いにべったりではなく
程好い距離感を保ちつつ優しく見守る様な
さりげない描き方がいい

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メインはもちろん、脇役、端役に至るまで
登場人物たちも皆味のある好人物ばかり

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お葬式で始まり、お葬式で終わっても
湿っぽさは微塵もなく(うるっとはきたけど)
終始、程好いユーモアに満たされた
じんわりと心があたたまる、素敵な作品だった

★★★☆

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by hasikkoami | 2016-03-30 21:18 | 映画館 | Comments(0)
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1969年 グルジア(ジョージア)
上映時間 87分
監督 ゲオルギー・シェンゲラーヤ



一杯の葡萄酒と乾し草のベッド 

グルジアは私のキャンバス





19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した
グルジア(以下ジョージア)の画家ニコ・ピロスマニの半生

ジョージアを放浪しながら日々の糧と引き換えに
店に飾る絵や看板を描くピロスマニの生き方は清貧そのもの

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結局、彼が生きているうちにその才能が認められることはなく
貧困のうちに死去することになるのだが

『モンパルナスの灯』のような
苦悩や絶望、悲壮感は感じられず
むしろゆったりと大らかな気持ちにさせてくれる

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スクリーンに映し出される
ジョージアの風景や動物たち
食卓で酒を酌み交わす人々の姿は
ピロスマニの素朴な画そのままに美しく
どのシーンを切り取っても1枚の画の様で
思わず見入ってしまう

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あまりにも美しい画面構成が
どことなく『 FOUJITA 』に似ているな~と思ったら
小栗監督もこの作品が大好きなのだそうだ。納得emoticon-0144-nod.gif



★★★★

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by hasikkoami | 2016-03-21 14:57 | 映画館 | Comments(6)
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公式サイト
2015年 アメリカ
上映時間 130分
監督 アダム・マッケイ


世界経済の破綻を予測した

4人のアウトローがいた





今回ほど自分がドキュメンタリー映画好きで良かった
と思ったことはなかったわ

日経はおろか地元紙の経済面すら開いたことがなく
TVニュースの経済情報はトイレタイム
そんな経済にとことん疎い私が



『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』を観ていたおかげで
"CDO" に"CDS" "格付け会社に "空売り"と言った
謎の言葉が(ある程度は)解る~(* ̄Oノ ̄*)ホーッホッホ!!

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ごずりん先生のジェンガ講義に
テストの山が当たった中学生のごとく
心の中でガッツポーズemoticon-0165-muscle.gif

しかしそうやってはしゃぐ私や
程好いユーモアを交え軽快な語り口で進むその先が
アメリカ経済の破綻なのだから
何とも皮肉で恐ろしい話だなぁ...

無邪気に喜ぶ若者2人を諭すブラピの言葉は
映画としてのせめてもの良心なのだろうが
どう言い繕ったところで彼らもまた
搾取した側であることに変わりはなく
余計に空しいだけだemoticon-0101-sadsmile.gif


★★★☆


<本日の気になる脇役>

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ジェレミー・ストロング

どこかしらユーモアを漂わせたキャラが多い中
終始一貫ピリピリムード
精悍な風貌が主人(スティーブ・カレル)の攻撃命令を待つ
ドーベルマンみたいでセクシーemoticon-0115-inlove.gif

見た事あるけど誰だっけ?と思ったら
『ジャッジ 裁かれる判事』の
似て無さ過ぎる三兄弟の純真無垢な三男坊ではないか!

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あまりのイメージの違いにびっくりよ!emoticon-0104-surprised.gif


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by hasikkoami | 2016-03-19 15:48 | 映画館 | Comments(8)
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公式サイト
2015年 イギリス/アメリカ
上映時間 123分
監督 ジョン・マッデン


インドの太陽が微笑んだ。

<今>が人生最高のとき。





前作『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』
なかなか素敵な群像劇だったので
続編であるこちらも楽しみにしていた


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値段交渉もお手のもの♪
79歳ながら出張もこなす
ワーキング・ウーマンとなったイブリン(ジュディ・デンチ)

とは言え「"望む事"と"恐れる事"の違いは紙一重」の言葉通り
踏み出せずにいることもあるようで...

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前作のラストでてっきりくっついたと思ったこの2人
ジーンじゃないけど「まだ手出してないの!?」だよemoticon-0120-doh.gif

その他のゲストたちも皆それぞれ悩みがあるようで
人間幾つになっても悩みは尽きないってことね

恋に悩む可憐なイブリンとは対照的に
人生を達観した凛々しいミュリエル(マギー・スミス)
前作同様嫌味な女には違いないけれど
最後は思わずエールをおくりたくなった
ジーン(ペネロープ・ウィルトン)の前向きさなど
女性陣が皆魅力的だったのに対して
男性陣がいまひとつ精彩に欠けていた様に思えたのが残念だけど
ラストのボリウッドダンスにまんまとのせられ、ヨシとするemoticon-0169-dance.gif

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★★★

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by hasikkoami | 2016-03-13 21:48 | 映画館 | Comments(2)
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公式サイト
2015年 アメリカ
上映時間 168分
監督 クエンティン・タランティーノ


クセもの8人、全員ウソつき。

生き残るのは誰だ!






ワイオミングの壮大な自然とエンニオ・モリコーネの音楽

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雪原を走る神々しいまでに美しい馬たち

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その荘厳な光景に
一瞬タランティーノ作品であることを忘れそうになった(笑)
しかし一たび登場人物たちが口を開けば
やはりいつものタランティーノ
あのダラダラしたやり取りがいいですなぁ(笑)

謳い文句の"密室ミステリー"については
ミステリ部分は"禁じ手"連発で ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ でしたが
密室の舞台である"ミニーの紳士洋品店"は
美術監督種田陽平の面目躍如たる素晴らしさ

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小道具の一つ一つにも寸分の隙もなくて
このままドールハウスにして欲しいわemoticon-0115-inlove.gif

★★★☆

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by hasikkoami | 2016-03-12 22:31 | 映画館 | Comments(4)

2月は15本中、韓国×5、香港×1、台湾×1、のアジア映画月間。

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by hasikkoami | 2016-03-07 23:01 | お茶の間鑑賞 | Comments(2)
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公式サイト
2015年 韓国
上映時間 123分
監督 リュ・スンワン


“熱血”刑事が

権力の闇をぶっ飛ばす!





「生き残るための3つの取引」で司法権力の腐敗
「ベルリンファイル」で南北問題と
このところシリアス路線が続いてるスンワン監督

本作もナッツリターンも記憶に新しい財閥問題と
テーマとしてはいたって社会派
とは言え、笑いを封印し、控え目ながら
恋愛要素まで入れてきた「ベルリンファイル」とは違い
今回はとことんエンターテインメントに徹した
水戸黄門並に単純明快な勧善懲悪ドラマ

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登場人物たちは皆キャラ立ちまくり

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中でもこれが映画初出演のチャン・ユンジュがイイ!
トップモデルだけあって抜群のプロポーションemoticon-0115-inlove.gif
なのに決してお飾りでも綺麗どころの役割でもないってのが素晴らしい!
まさしく「ミス・ボン ナイス!emoticon-0148-yes.gif

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スンワン監督お得意の泥臭いアクションや
ド派手なカーチェイスも見応え十分

そして何だかんだありつつ結局誰も死んでない(多分)
のも痛快な後味に繋がっていると思う
(あとはワンちゃんさえ無事なら言うことなかったんだけどなぁ;;)

★★★☆

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by hasikkoami | 2016-03-06 14:25 | 映画館 | Comments(0)
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西 加奈子∥著 
KADOKAWA 2015.9

嬉しくても悲しくても感動しても頭にきても泣けるという、喜怒哀楽に満ちた日常、愛する音楽・本への尽きない思い…。「サラバ!」で多くの人に“信じる勇気”を与えた西加奈子の6年分のエッセイがギュッと詰まった一冊


「ダイオウイカは知らないでしょう」の西さんがあまりに面白すぎたので
普段はあまり読まないエッセイにもチャレンジしてみたが
ホント西さんて面白いわ~emoticon-0140-rofl.gif

日々のことを綴った第1章は、まさしく抱腹絶倒ww
「小林製薬」と「体毛カースト」は笑い過ぎて息が止まるかと思ったわ。
対して音楽についての第2章は、西さんの趣味がなかなかマニアックでどことなく高尚な香り。
さすがは芸術新潮だね~!と思ったりして。
声の趣味(ニーナ・シモンとトム・ウェイツ)が同じなのも嬉しかった。
本についての第3章はやはり作家さんだけあって深いなぁ...と思いつつ
既読作がほとんどなかったのが残念^^;
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by hasikkoami | 2016-03-03 21:36 | 図書館 | Comments(4)
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本谷 有希子∥著
講談社 2016.1

専業主婦の私は、ある日、自分の顔が夫とそっくりになっていることに気付き…。「夫婦」という形式への違和を軽妙洒脱に描いた表題作ほか、自由奔放な想像力で日常を異化する全4編を収録


文学に疎い私が思う芥川賞のイメージとは「わからん」だ。
映画に例えるなら、直木賞=アカデミー賞、芥川賞=カンヌ、と言ったところか。
しかし本作は夫婦間のやりとりなど「うん、うん、わかるわ~!emoticon-0144-nod.gif」で
ちょっと小山田浩子の「穴」(第150回芥川賞)を思い出すものの
あら?意外に普通(の話)なのね...と思っていたところへの、あの着地!!
やっぱ芥川賞だわ~と思ったのだった(って私の感想が一番「わからん」な...)
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by hasikkoami | 2016-03-03 21:35 | 図書館 | Comments(0)
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小川 洋子∥著
講談社 2015.9

妹を亡くし、ママと一緒にパパが残した古い別荘に移り住んだオパール・琥珀・瑪瑙の三きょうだい。閉ざされた家の中、三人だけで独自に編み出した遊びに興じるうち、琥珀の左目にある異変が生じて…


これって設定的にはまんま、映画『籠の中の乙女』よね?
それが一度小川洋子の手にかかれば
これほどまでに幻想的で美しく甘美な物語になることに、ただただ驚くしかない。
しかし美しければ美しいほど、甘やかであればあるほど
それは同時にとても残酷で痛々しいと言うことでもあり
その余韻にいつまでも胸が疼く。

ちなみに、設定的にはほとんど同じながら
とてつもなく歪で恐ろしい世界観をブラックなユーモアで包んだ
映画『籠の中の乙女』も、私はかなり好きです。


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by hasikkoami | 2016-03-02 19:43 | 図書館 | Comments(2)