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本と映画と時々音楽

<   2015年 01月 ( 10 )   > この月の画像一覧

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エリザベス・ストラウト【著】 小川高義【訳】
早川書房(2010/10発売)

アメリカ北東部の小さな港町クロズビー。
一見静かな町の暮らしだが、そこに生きる人々の心では、
まれに嵐も吹き荒れて、生々しい傷跡を残す―。


あぁ、これは好きだ。
「 甘美なる作戦 」の主人公には全く感情移入出来なかった私だけれど、
本作は反対に様々な登場人物たちに共感しまくり。
特に主役、脇役、通りすがりのエキストラと様々な形で
13編の連作短編全てに登場するオリーヴ・キタリッジは
まさに現在の私であり未来の私だ。
だからどの話も読んでいてグサグサと突き刺さるし、
ヒリヒリと焼け付く様な痛みを感じる。
それでも、いや、だからこそ、たまらなく好きだ。
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by hasikkoami | 2015-01-31 16:24 | 図書館 | Comments(0)
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イアン・マキューアン 【著】 村松潔 【訳】
新潮社(2014/09発売)

MI5の女性スパイと、若き小説家。二人の間に生まれた愛は、幻だったのか? 任務を帯びて小説家に接近した工作員は、
いつしか彼と愛し合うようになっていた。
だが、ついに彼女の素性が露見する日が訪れる――。

一言で言えば面白い小説だった。最後の手紙なんて鳥肌もの。
ただ、主人公の女性に感情移入し、彼女と同じ様に相手に恋をし、ハラハラしたりドキドキしたり、
幸福に浸ったり、傷ついたり・・・それが恋愛小説を読む醍醐味なのだしたら、
その点においては残念ながら私は全く楽しめなかったと言うしかない。
だって主人公のセリーナには全く共感出来なかったし、
相手のトムにもこれっぽっちも魅力を感じなかったから。(ただトムが書いた小説は中々魅力的だった)
やはり私は根本的に恋愛小説には向いていないんだろうと思う。
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by hasikkoami | 2015-01-27 21:44 | 図書館 | Comments(0)
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姫野 カオルコ【著】
幻冬舎(2013/09発売)
ひとりの女性の45年余の歳月から拾い上げた写真のように、
昭和から平成へ日々が移ろう。
ちょっとうれしいこと、すごくかなしいこと、
小さなできごとのそばにそっといる犬と猫。

「近所の犬」にも出てきた猫のシャア
まさか赤い彗星・・・ってことはないわよねぇ^^;(年代的に)と思っていたのよ。
東南西北(トンナンシャーペイ)の西だったのね(笑)

この著者の作品は「リアル・シンデレラ」しか読んだことがないのだけれど、
本作の主人公柏木イクと「リアル・シンデレラ」の倉島泉が凄くだぶる。
つくづく「幸せ」の基準って自分で決めるものなんだ、と思う。
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by hasikkoami | 2015-01-27 21:32 | 図書館 | Comments(0)


今やすっかり私のお気に入りに定着した The Overtones 

3月発売予定の4枚目のアルバム
「Sweet Soul Music」の Album Trailer があがってきた



タイトルから予想していた通り
これまでになくソウル寄りの1枚になりそう004.gif
これまでのホワイトドゥーワップ系の曲も好きだけれど
それ以上にソウルミュージックが大好きなので

アーサー・コンレイ
テンプテーションズ
アル・グリーン
マーヴィン・ゲイ

このラインナップはまさに垂涎もの

カヴァーだけでなくオリジナル曲の「 Something Good 」もノリノリ070.gif
3月の発売が待ち遠しくて仕方がない016.gif




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by hasikkoami | 2015-01-24 19:46 | 音楽 | Comments(0)
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米国版公式サイト
2012年 アメリカ
上映時間  75分
監督 ダグラス・ウィルソン



先日『 世界一美しい本を作る男 』を観たミニシアターは
2つあるスクリーンのうちの1つが今時珍しい名画座方式
入れ替えなしの二本立てで同時上映だったのがこの作品




1900年初頭に活躍した自動鋳植機Linotype(ライノタイプ)のドキュメンタリー映画で
自主上映ではない劇場での上映はこれが初!ってことでちょっと得した気分

紹介サイトには、文字好きや印刷関係者必見!とあり
特別文字好きでも印刷関係者でもない私にはちょっと難しいかも...と心配したけれど
お堅いドキュメンタリー映画と言うよりむしろ
“ Linotype ” 大好きな人たちが
“ Linotype ”への愛を熱く語る映画だった

“ Linotype ”は見た目は無骨ながら仕事は超繊細!ってところが
どことなくTARS & CASE @『インターステラー』ぽくて萌えるし
『ラピュタ』のロボット兵の様に打ち捨てられ雑草に覆われた姿や
スクラップにされるシーンには胸が痛んだ

75分のコンパクトサイズに軽やかなBGMでテンポもよく
登場人物は“ Linotype 愛”溢れる味のある人たちばかりで
“ 機械に対して愛情を注ぐ人 ”に萌える私には
なかなか美味しい映画だった



★★★

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by hasikkoami | 2015-01-22 21:29 | 映画館 | Comments(2)
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公式サイト
2010年 ドイツ
上映時間 88分
監督 ゲレオン・ヴェツェル/ヨルグ・アドルフ

“本”と“芸術”、

そして“仕事”への愛情に満ちた

シュタイデルの世界へようこそ




首都圏で公開されたのは一昨年の秋
いつかWOWOWで放送されたら観たいとは思っていたけれど
今回縁あって劇場で観ることが出来た

「世界一美しい本を作る」と称されるドイツの小さな出版社シュタイデル
自らアーティスト達と綿密な打合せを繰り返し
収録作品、使用する紙、インクの選定まで徹底的にこだわる
経営者ゲルハルト・シュタイデルの
妥協なき本作りの姿を追ったドキュメンタリー

「HOW TO MAKE A BOOK WITH STEID(シュタイデルの本の作り方)」
この原題のシンプルさそのままに
映画はシュタイデル氏の私生活や余計なインタビューを省き
ただ「本を作る」その姿だけを追う

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紙に埋もれた小さな工房で、白衣に身を包み
黙々と作業する姿からさぞや寡黙な職人かと思いきや
世界に散らばる一流アーティストと打合せをするために
ニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、カタールと世界中をアクティブに飛び回り
自分がこうと思ったことは、たとえ相手が誰だろうとズケズケ言うシュタイデル氏
ノーベル賞作家ギュンター・グラスにすらダメ出しし
言われるがままに素直に何度も書き直すグラス氏の姿に
どっちがクライアント?と思ったよ(笑)
しかしだからこそ、世界中にコレクターがいると言われる
シュタイデル社の本が出来るのだろうなぁ

そして「本」にとって大切なのは、その内容だけではなく

掌にかかる程よい重みや指先に伝わる紙の質感 
ページを捲る時の柔らかな音と微かなインクの匂い

これらを感じることもまた
「読書」の大きな楽しみの一つであることを
あらためて感じさせてくれた



★★★★

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by hasikkoami | 2015-01-20 19:20 | 映画館 | Comments(0)
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公式サイト
2013年 イギリス
上映時間 93分
監督 リチャード・アイオアディ


お前は、俺だ。

自分は、誰だ。






ドストエフスキーの原作は未読
『ベルトルッチの分身』は途中で寝てしまった前科があるため
若干の不安を抱えつつ鑑賞したこの作品が

まさか初笑い作品になろうとは!!

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色調     構図     会話の間

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昭和な食堂の無愛想な店員
  
そして何より

選曲センス!!


も~リチャード・アイオアディ監督てば、どんだけ

アキ・カウリスマキ好きなのー!!

もともと不条理ものが大好物な上
これらのカウリスマキ愛がいちいちツボにはまり
涙が出るほど笑いました041.gif

後半ちょっとサスペンスぽくなってしまって残念でしたが(←コメディだとしか思っていない)

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パディ・コンシダイン主演のスペースオペラ(なのか?)にも萌えました(笑)

★★★☆

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by hasikkoami | 2015-01-14 21:39 | 映画館 | Comments(4)
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公式サイト
2013年 スウェーデン
上映時間 111分
監督 ペール・フリー


傷ついても    前を向いて

少しだけ     夢に近づく。





スウェーデンの世界的ジャズシンガー
モニカ・ゼタールンドの半生を描いた伝記ドラマ

ビル・エヴァンストリオが伴奏した
スウェーデン語版の「Waltz for Debby」は聴いたことがあるものの
モニカ・ゼタールンドについては全くと言っていいほど知らない

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そのしっとりと優しい歌声とは違い、
気性激しく自己中心的なモニカははっきり言って嫌な女で
歌手を目指すシングルマザーの健気な奮闘記を想像していた私には少々意外だった

もっともそうでもなければショービジネスの世界を生き抜くことは出来ないのだろうけれど

モニカ役のエッダ・マグナソンの歌は英語の時はそれほどでもないけれど
スウェーデン語で歌うと途端に魅力的に聴こえる



スウェーデン語の「Walkin' My Baby Back Home」
聴き慣れた曲なのにとても新鮮で心地よい

★★★ 

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by hasikkoami | 2015-01-12 22:25 | 映画館 | Comments(2)
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公式サイト
2014年 日本
上映時間 111分
監督 藤田容介


福田辰男。32歳。

今日、恋、はじめます。





藤田容介監督の『全然大丈夫』が面白かったので
今年の笑い始めになれば・・・と選んだけれど
期待したほどには笑えなかった

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「森三中」の大島さんも、超個性的な脇役も皆さんもとても良かったんだけど
ヒロインである千穂(水川あさみ)が
私にはただ美人なだけの嫌味な女にしか思えなくて・・・002.gif

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一方、馬淵さんの蛇を飼う理由が
「強烈な刺激で麻痺させなければならない程の孤独」って言うところに
あ~それ分かるわぁ...045.gif
私が凄く落ち込んだ時にあえて中村文則の小説読むのと同じで
「毒を以て毒を制す」(中村さんに失礼)ってことだよね~と共感して
馬淵さんと野々下くんには幸せになって欲しいなぁ...と思ったのでした
(福ちゃんと千穂さんはどうでもいいのか)

★★☆

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by hasikkoami | 2015-01-09 19:33 | 映画館 | Comments(0)
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公式サイト
2013年 オーストラリア
上映時間 109分
監督 ジュリアス・エイヴァリー

この男、曲者。

450万ドルの金塊――

ゲームの支配者になるのは誰だ?





「銃と金塊」なんて安っぽいタイトルから
てっきりB級犯罪物のバディムービーだと思っていた

しかしオープニングクレジットのオーストラリア制作
(これまたてっきりハリウッドものだと思っていた)と
原題の『SON OF A GUN』に
あれ?思ってたのと違うかも・・・と思ったら案の定
少々泥臭い(と言うより埃っぽい、かな)フィルムノワール&青春物で
これは何とも嬉しい誤算

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チェス、トリスタン、進化論、とさり気なく知性を漂わせ
女学生に暴行した仲間をフルボッコにしたり、撃たれた人質を気遣ったり
犯罪に対しても独自の美学を持っていそうなブレンダン(ユアン・マクレガー)と

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若かりし頃のイーサン・ホークを思わせる、純粋でナイーブなJR(ブレントン・スウェイツ)

この2人の擬似親子的な師弟関係がいい

同じくオーストラリア制作の犯罪物『アニマル・キングダム』のジョシュアの様に
彼もやがてチンパンジーになるのかと思いきや
彼は最後までボノボでした...と言うラストも爽やか058.gif

それにブレンダンも口ではあんなこと言っていたけれど
彼も本質はボノボなんじゃないかな
じゃなきゃ、ラストであんな表情、しないはずだもの

★★★☆

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by hasikkoami | 2015-01-07 21:28 | 映画館 | Comments(2)

by hasikkoami