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図書館の隣の映画館

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本と映画と時々音楽

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ジョゼ・サラマーゴ【著】 阿部 孝次【訳】
彩流社(2012/10発売)

彼がオリジナルで、自分が複製された男なのか!
孤独な現代人の苦悩とアイデンティティの危機をミステリー仕立てで描いた
ポルトガルのノーベル賞作家サラマーゴの傑作。


以前図書館の新刊の棚にあるのを見かけ一度手に取ったものの
“テルトゥリアーノ・マッシモ・アフォンソ ”に負け挫折。
(何のこっちゃ!?とお思いでしょうが、読めば分かります)
しかしやはり消化不良は嫌なので再度チャレンジすることに。
やたらと回りくどい文体と改行無しでひたすら文字に埋め尽くされたページに
悪戦苦闘しつつ何とか前半を乗り切れば、後半は俄然面白くなり
まもなく公開されるドゥニ・ビルヌーブ監督による映画がますます楽しみになった。

ただ、映画は“テルトゥリアーノ・マッシモ・アフォンソ ”じゃないのね。
確かに(面白いかどうかは別にして)前半のあの雰囲気は小説ならではの表現だな。
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by hasikkoami | 2014-06-28 21:25 | 図書館 | Comments(0)
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マイケル・オンダーチェ【著】 福間 健二【訳】
水声社(2006/12発売)
トロント、1930年代、移民たちの夢。
橋から落ちる尼僧、受けとめる命知らずの男。
失踪した大金持ち、あとを追うラジオ女優…。
それは、パトリックが若い娘に語って聞かせる“官能”と“労働”の物語。


「 名もなき人たちのテーブル 」で心を鷲掴みにされてしまったマイケル・オンダーチェ。

今作も冒頭の移民労働者たちの描写でたちまち心を持って行かれた。
彼らの生活や仕事振りをただ淡々と描いているだけなのにもかかわらず
その描写はあまりにも美しく官能的で、思わず溜息が零れるほど。
巻末の訳者解説にもあるように、これはまさしく官能プロレタリア小説と言う他ない。

中でも、移民労働者と尼僧のエピソードは何一つそれっぽい(?)描写はないのに
私がこれまでに読んだどんなラブストーリーより美しいラブストーリーだった。
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by hasikkoami | 2014-06-26 21:26 | 図書館 | Comments(0)
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諸田 玲子【著】
光文社(2014/02発売)


小町娘と評判の舞は十返舎一九の娘。
なぜか父や葛飾北斎の娘、お栄ら、奇人変人たちの大騒動の後始末ばかり。

どうも最近の諸田さんの作品はさらりと読める代わりに軽すぎて後に何も残らない。
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by hasikkoami | 2014-06-26 21:09 | 図書館 | Comments(0)
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皆川 博子【著】
光文社(2013/08発売)


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最後までイングランドに屈さなかったゲールの女王グローニャ。
アイルランドの女海賊の凄まじき生涯に挑む、海洋冒険歴史巨編。


上下巻併せて1000ページ超え。
図書館の窓口で渡された時に思わず手が止まり
見開きの登場人物紹介(70人以上)で読む前に挫折しそうになった。
それでも何度も登場人物紹介ページに戻りながら読み進むうち
どんどん惹き込まれて行き、下巻はスラスラと読むことが出来た。
大変読み応えがあり面白い作品ではあるけれど
個人的には皆川先生は幻想小説の方が好きだな。
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by hasikkoami | 2014-06-26 21:07 | 図書館 | Comments(0)
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皆川 博子【著】
早川書房(2013/12発売)
十八世紀英国で起きた解剖教室をめぐる事件から五年後、
教室の元弟子たちと盲目の判事は、
天使のような死体に記された暗号の謎を追う。
『開かせていただき光栄です』続篇


前作「開かせていただき光栄です」が大変面白かったのでこれも楽しみにしていた。
作品としては面白かったのだが、前作の様なユーモアと軽やかさは影を潜め
全体的に重く暗い雰囲気に。ラストも何ともやるせない。
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by hasikkoami | 2014-06-25 22:30 | 図書館 | Comments(0)
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小川 洋子/クラフト・エヴィング商會【著】
筑摩書房(2013/11発売)


「ないものを探してください」。小川洋子の描く人物たちの依頼に、クラフト・エヴィング商會が応える。ふたつの才能が真剣勝負で挑む、新しい小説のかたち。


「たんぽぽ」川端康成
「バナナフィッシュにうってつけの日」J・D・サリンジャー
「貧乏な叔母さんの話」村上春樹
「うたかたの日々」ボリス・ヴィアン
「冥途」内田百閒

これら5つの作品をモチーフにした5つの物語

情けないことに基になる作品をどれひとつ読んだことがないので
どれ位関わりがあるのか分からないのが残念だけれど
どの話も摩訶不思議なのにするりと心に忍び込んでくる素敵な話ばかり
中でも好きなのは『貧乏な叔母さんの話』の「貧乏な叔母さん」
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by hasikkoami | 2014-06-25 22:15 | 図書館 | Comments(0)
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公式サイト
2012年 アメリカ
上映時間 97分
監督 トラヴィス・ファイン

僕たちは忘れない。

ぽっかりと空いた心の穴が

愛で満たされた日々――。




障碍者を題材にした映画で泣くのって何か安っぽい気がして嫌だ
偏見とかじゃないですよ
うちにも一人いますから
障碍と言うにはおこがましいレベルのアスペですけどね
まあ、そんな関係もあってダウン症の子達や
他の知的障害を持った子達もそれなりに見てきたので余計泣きたくないと言うか・・・

だけどこれは泣きました
泣ける=いい映画だとは思わないけれど
観ている時より観終わった後の方が泣けるのはいい作品って気がする

・・・ってことで今も涙腺決壊中(TT)

そして何よりこの作品、アラン・カミングが最高
彼が演じるルディはまるで聖母のようで、愛とは何かを深く考えさせられる

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ラストで彼が歌うボブ・ディランの “ I shall be releast”の一節
「ANY DAY NOW(今すぐに)」はこの作品のタイトルにもなっていて
アラン・カミングの熱唱と共に強く心を揺さぶる

★★★★☆

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by hasikkoami | 2014-06-24 20:06 | 映画館 | Comments(0)
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公式サイト
2012年 デンマーク/インドネシア/ノルウェー/イギリス
上映時間 121分
監督 ジョシュア・オッペンハイマー/クリスティーヌ・シン


「あなたが行った虐殺を、

もう一度演じてみませんか?」





1965年に起こったクーデター未遂事件を発端に
インドネシア各地で、100万とも200万ともいわれる共産党関係者が虐殺された
虐殺の実動部隊となったのはプレマンと呼ばれるギャング
何ら法の裁きを受けることなく今も英雄として優雅に暮らす彼らに
自らが行った「殺人と言う行為」を映画として再現させる姿を追ったドキュメンタリー

殺人は許されない。殺した者は罰せられる。
鼓笛を鳴らして大勢を殺す場合を 除いて


これは冒頭に引用されるフランスの哲学者ヴォルテールの言葉
           

一人を殺せば殺人者だが、百万人を殺せば英雄だ。

そう言ったのは誰だったか

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好々爺にしか見えないこの老人が嬉々として再現する行為に吐き気を催しながら
もう二度と観たくはないけれど、観なければよかったとは思わない

★★★☆

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by hasikkoami | 2014-06-24 19:37 | 映画館 | Comments(0)
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公式サイト
2013年 イギリス/アメリカ/ドイツ/ベルギー
上映時間 137分
監督 ポール・ハギス


NY、ローマ、パリ。

3つの街、3組の男女。






ネタバレはしていませんが、匂わせてはいますのでご注意を!


タイトルと予告編のリーアム・ニーソンのある台詞で
あ~つまりはそう言う話なのね、と大まかな想像はつく
第一そうじゃなきゃ絶対無理!なシーンもあるし

要するにオチ(これをオチと言うのならば)はある意味単純なんだけど
まるでコラージュの様にバラバラにしてくっ付けてあるものだから
やたらと複雑な物語っぽくなっていて
正直私の解釈も正しいのかどうか自信はないので書きません(と言って逃げる^^;)
でもあーだ、こーだと話し合いたくなる作品ではあるので誰か見てください(笑)

それから、たとえ「人生の言い訳」の安っぽい駄作だとしても
私はエイドリアン・ブロディのパートが一番好きだ

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★★★

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by hasikkoami | 2014-06-23 20:58 | 映画館 | Comments(0)
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公式サイト
2014年 アメリカ
上映時間 138分
監督 ダーレン・アロノフスキー


その舟に、

すべての希望は託された。





宗教映画は苦手なのでこれも完全スルーの方向だったのだけれど
ミーハー夫が何故か観たいと言うので渋々ながらお付き合い^^;

しかし思ったほど宗教臭くなく
むしろSF映画やファンタジー映画に近い感じで
私としては観易かった

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こんな大きな船造るの、人間の力じゃ無理でしょ~と思っていたらそうきたか(笑)

それにしても「堕落した人間共なぞ滅ぼしてしまえー!」と命じておいて
「それを鵜呑みにしてしまうような人間なら生かす価値はない」とは・・・

映画『レギオン』でも葛藤しつつも「人類殲滅」と言う神の言いつけを
頑なに守ろうとした大天使ガブリエルに
「そう言う無慈悲なところがあの方(神)を失望させたんだ」と言い放つミカエルに
(ガブリエルを演じていたのがお気に入りのケヴィン・デュランドだった所為もあり)
おいおい、それじゃあんまりガブリエルが可哀想じゃないか!?
正直ものはバカを見るってか...
と思ったものだが、ホント試すのが好きなのねぇ、神様って・・・^^;

★★★

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by hasikkoami | 2014-06-23 20:57 | 映画館 | Comments(4)

by hasikkoami