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本と映画と時々音楽

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ジョージ・ソーンダーズ【著】 岸本 佐知子【訳】
角川書店 角川グループパブリッシング〔発売〕 (2011/12/31 出版)

小さな小さな「内ホーナー国」とそれを取り囲む「外ホーナー国」。国境を巡り次第にエスカレートする迫害が、いつしか国家の転覆へとつながって…。前代未聞のジェノサイドにまつわるおとぎ話。


すっごく不思議で、すっごく面白くて、すっごく怖い話だった。

登場人物(と言っていいのか分からないが)は皆
その姿形は我々人間とはかけ離れているけれど、その内面はあまりにも人間的。
強くて、弱くて、愚かで、残酷。

143ページの中篇ながら、とても多くのことを考えさせられる。
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by hasikkoami | 2012-02-29 08:51 | 図書館 | Comments(0)
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丸谷 才一【著】
新潮社 (2011/10/25 出版)

不倫あり、嫉妬あり、裏切りあり−。
元経団連会長が語る、世界的弦楽四重奏団の愛憎半ばする30年。
人生の味わいを描き尽くす長篇小説。


丸谷才一氏の作品は初めて読むので、まずは旧仮名遣いに戸惑って
なかなか物語に入っていけなかったが、慣れてしまえば語り口の上手さにグイグイ引っ張られる。

ただ、昨年読んだ同じく弦楽四重奏団の人間模様を描いた「弦と響」は曲の描写がとても美しく
今にもその曲が聴こえてきそうな、まるでそれ自体が一曲の協奏曲のような作品だった。
対してこちらは、同じような題材を扱っていてもあまり音楽的な感じがしない。
物語としてはとても面白かったけれど、私としては「弦と響」の方が好み。
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by hasikkoami | 2012-02-29 08:45 | 図書館 | Comments(0)

只今HDD消化週間につき、思いっきり睡眠不足。
(別に義務じゃないんだから、さっさと寝ればいいのに^^;)


『テイキング・ライブス』  <WOWOW>  ★★
  2004年アメリカ  【監督】D・J・カルーソー
テイキング・ライブス(他人の人生を乗っ取る )を繰り返すシリアルキラーと
FBI女性プロファイラーの攻防を描くサスペンス。
個人的見所は冒頭のポール・ダノくんのみ。
とは言え、ラストの「あれ」には、見事に騙された。


『セラフィーヌの庭』  <WOWOW>  ★★★★
    2008年フランス/ベルギー/ドイツ  【監督】マルタン・プロヴォスト
女性画家セラフィーヌ・ルイの生涯を描くヒューマン・ドラマ。
本当の芸術は純粋な魂から生まれるものなんだなあ...
ヨランド・モローが本当に素晴らしい。


『再会の食卓』  <WOWOW>  ★★★☆
    2010年中国  【監督】ワン・チュアンアン
中台分断で離れ離れとなった元夫婦の40年ぶりの再会を綴るヒューマン・ドラマ。
ワン・チュアンアンの描く夫婦の形は『トゥヤーの結婚』でもそうだったように
一見理解しがたいが、そこには二人にしか解らない歴史があり、それがあるからこその決断なのだろう。


『北京の自転車』  <WOWOW>  ★★★★
    2000年中国/台湾  【監督】ワン・シャオシュアイ
中国・北京を舞台に、1台の自転車を介して出会った17歳の少年二人の青春模様。
第51回ベルリン国際映画祭の審査員特別賞と新人男優賞を受賞しながら
中国で上映禁止処分を受け、2010年にようやく正式に日本でも公開された作品。
台湾ニューシネマの時の侯孝賢や楊徳昌を思い出した。


『スタンダード・オペレーティング・プロシージャー アブグレイブ刑務所の証言』 <WOWOW>  ★★★★
    2008年アメリカ 【監督】エロール・モリス
2003年のアブグレイブ捕虜刑務所での米軍によるイラク人捕虜虐待事件を
写真と当事者たちの証言で綴るドキュメンタリー。
この事件が明るみに出て、その写真を見た時は衝撃的だった。
そしてこの作品で、当事者たちの証言を聞くと彼らが決して特別な人間ではなく
ごく一般的な人々であることが分かり、そのことが更に衝撃的。


『ベルヴィル・ランデブー』 <WOWOW>  ★★★★★
    2002年フランス/ベルギー/カナダ  【監督】シルヴァン・ショメ
誘拐された孫の救出に奔走する祖母の大冒険を描くアニメーション。
『イリュージョニスト』のシルヴァン・ショメ監督の長編デビュー作
大好き、これ!もうオープニングからやられた!!
デフォルメされた画もジャジーな音楽も兎に角最高!!!


『イリュージョニスト』  <WOWOW>  ★★★★★
    2010年イギリス/フランス 【監督】シルヴァン・ショメ
時代遅れの老手品師と純真な少女との交流を描くアニメーション。
これまた大好き!シルヴァン・ショメって何て素晴らしいの!!
ジャック・タチそのままの老手品師の風貌と仕草に、それだけで嬉しくなる。
優しく、あたたかく、切ない、本当に美しい作品だった。
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by hasikkoami | 2012-02-28 08:50 | お茶の間鑑賞 | Comments(0)
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公式サイト
2010年 フランス
上映時間 120分 
監督 グザヴィエ・ボーヴォワ

さよならを

言わなければならない時に

──ともに生きる



1996年にアルジェリアで起きた武装イスラム集団によるフランス人修道士誘拐・殺害事件の映画化。

昨年公開された時は見逃したが、今回よく行くシネコンで、会員料金¥500、1週間限定でのリバイバル。
いくら旧作とは言え、これほどの作品を500円で観てしまっていいのだろうか...
と思うほど素晴らしい作品だった。ユナイテッドシネマさん、本当にありがとう。


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理想と現実の間で苦悩し、議論を重ね、全員一致で留まることを決断する場面も感動的。

作品の中で流れる音楽は、1曲を除き彼らの歌う聖歌のみ。
その美しいハーモニーには、たとえ信者でなくとも心が洗われる。
特に歌手でもあるランベール・ウィルソン演じるクリスチャンの澄んだ歌声が素晴らしい。

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ヘリの轟音の中で歌われる聖歌の何と荘厳なことか。


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最後の晩餐での「白鳥の湖」は、これまで聴いたどの「白鳥の湖」より深く心に沁みた。


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<満足度> ★★★★★
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by hasikkoami | 2012-02-27 08:56 | 映画館 | Comments(4)
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公式サイト
2011年 アメリカ
上映時間 129分
監督 スティーヴン・ダルドリー



あの日父を失くした少年の、

喪失と再生のものがたり




いや~、泣いた泣いた。
原作を読んだ時も泣いたけれど、その時強く心を揺さぶられたのはむしろ祖父母の物語だったので
オスカー視点のみの今回の映画で、ここまで感情移入するとは自分でも意外だったが
6件目のメッセージのあの瞬間は、映像としての影響力を感じないではいられなかった。
過去のエピソードを無くし、シンプルにしたことが映画的には良かったのかもしれない。

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ただ、この種明かしはとても感動的なシーンだけに
彼女本人に語らせるのではなく、原作通りオスカー視点にして欲しかった。


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原作ではそれだけで一つの映画になる程深い“間借り人 ”の物語も
映画ではわずかに匂わせるのみでほとんど語られることはない。
しかしマックス・フォン・シドーの存在感がその浅い描写を補っていた。


映画を観て感動した人も、そうでない人も、是非原作を読んで欲しいと思う。
オスカーと彼を取り巻く全ての人々を一層深く理解出来、愛おしくなる素晴らしい作品だから。


<満足度> ★★★★ (ちなみに原作は文句無く★5つ)
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by hasikkoami | 2012-02-26 10:11 | 映画館 | Comments(0)
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歌野 晶午【著】
文藝春秋 (2011/10/15 出版)

スーパーの保安責任者の男と、店で万引きを働いたDVの被害に遭っている女。偶然出会った2人は、驚くべき因縁で結ばれていた!?
“絶望”と“救済”のミステリー。


読んでいる時は凄くのめり込んで、キッチンにまで本を持ち込み危うく料理を焦がすところだった。
だからこそ読み終わって残るのは何ともやり切れない思い。
果たしてこれは救済なのか?
モヤモヤとした気持ちが何時までも尾を引く。
作中で引用されている賢者たちの言葉も印象的。
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by hasikkoami | 2012-02-22 08:09 | 図書館 | Comments(0)


[短編アニメ映画]
『砂の城』  1977年カナダ  【監督】コ・ホードマン 
『老人と海』  1999年ロシア/カナダ/日本  【監督】アレクサンドル・ペトロフ
『ハーヴィー・クランペット』  2003年オーストラリア  【監督】アダム・エリオット
『デンマークの詩人』  2006年ノルウェー/カナダ  【監督】トーリル・コーヴェ
『ロゴラマ』  2009年フランス 【監督】ルドヴィク・ウープラン
『落としもの』  2010年オーストラリア/イギリス  【監督】アンドリュー・ラーマン/ショーン・タン


[短編実写映画]
『ウエスト・バンク・ストーリー』  2005年アメリカ  【監督】アリ・サンデル
『ビッグポケット』  2006年フランス  【監督】フィリップ・ポレ=ヴィラール
『おもちゃの国』  2007年ドイツ  【監督】ヨヘン・アレクサンダー・フライダンク
『ゴッド・オブ・ラブ』  2010年アメリカ  【監督】ルーク・メスニー


どの作品も長編と遜色なく素晴らしく、凝縮されている分、余韻が深い気さえする。

特に実写映画の第81回受賞作、第二次世界大戦中のナチス・ドイツによるホロコーストを
ドイツ人の視点でとらえた人間ドラマ 『おもちゃの国』 は
わずか13分の作品ながら、深く心に突き刺さる。

今ならWOWOW動画で観られるので是非!

他にもアニメ映画 『砂の城』 『デンマークの詩人』 『ロゴラマ』の3本と
実写映画 『ビッグポケット』 が観られるので、こちらもお薦め。
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by hasikkoami | 2012-02-20 10:16 | お茶の間鑑賞 | Comments(0)
今月はWOWOWさんがアカデミー賞特集とベルリン国際映画祭特集をやってくれるので
観たい作品が目白押し。


『悲しみの青春』  <WOWOW>  ★★★
    1971年イタリア 【監督】ヴィットリオ・デ・シーカ
第二次大戦間近の北イタリア・フェラーラを舞台に若者たちのはかない青春を描く。
イタリア映画ってなんだってこう美男美女ばかりなんだろう(笑)
ドミニク・サンダの輝くばかりの美しさもさることながら
当時20代後半にもかかわらず20歳のドミニク・サンダの弟役に何ら違和感がない
ヘルムート・バーガーの妖しくて儚げな美しさは驚愕もの。


『バビロンの陽光』  <WOWOW>  ★★★★
    2010年イラク/イギリス/フランス/オランダ/パレスチナ/アラブ首長国連邦/エジプト
    【監督】モハメド・アルダラジー
フセイン政権崩壊直後のイラクで行方不明の息子を探すクルド人女性と孫を描くロードムービー。
トラックのおじさん、タバコ売りの少年、そしてムサ。皆温かくていい人だった。
だからこそあまりにも辛い現実に胸が痛む。


『メアリー&マックス』  <WOWOW>  ★★★★☆
    2009年オーストラリア 【監督】アダム・エリオット
メルボルンに住む8歳の少女とミューヨークに住むアスペルガー症候群の中年男性との
数十年に亘る文通による交流。
短編アニメ『ハーヴィー・クランペット』のアダム・エリオット監督の長編クレイアニメ。
『ハーヴィー・クランペット』も好みだったが、これまた凄く良かった。
ラストはもう泣けて泣けて大変だった。
トニ・コレット、フィリップ・シーモア・ホフマン、エリック・バナと声優陣も超豪華。
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by hasikkoami | 2012-02-20 09:39 | お茶の間鑑賞 | Comments(0)
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http://kitsutsuki-rain.jp/
2011年 日本
上映時間 129分
監督 沖田修一


雨でも…

きっと晴れるさ。




いいなあ...好きだなあ...こういうの。

笑って、ちょっぴり泣けて、元気が出る。

ちょっと大げさかもしれないが、映画愛と人間愛に溢れていて

素直に 「ああ、良い映画だった♪」と思えた。


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兎に角、間が絶妙


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初めはB級どころかC級としか思えない劇中のゾンビ映画も
次第に「案外面白いかも・・・」と思い始め
最後には「完成品が観たい!」とまで思わせるのは流石。


それにしても、すでに次作を撮ってるってことは、田辺監督ってば売れっ子。(笑)


<満足度> ★★★★☆


本日の気になる脇役

d0098286_853221.jpgエキストラさんかと思ったら
食事のお世話もしていたからスタッフさん?役
森下能幸

兎に角出演作多数。大抵チョイ役ですが
偽ロボジー@『ロボジー』でもいい味出してました。
今回のゾンビ姿での「ファイト!」も最高♪
ヌメ~っとした感じに思わず和む(?)私的癒しの脇役筆頭株。
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by hasikkoami | 2012-02-19 17:18 | 映画館 | Comments(4)
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公式サイト
2011年 アメリカ 
上映時間 138分
監督 クリント・イーストウッド



だれよりも恐れられ、

だれよりも崇められた男。





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このところどんどんジャック・ニコルソン化してきている様に思うディカプリオだが
今回の老けメイクはむしろフィリップ・シーモア・ ホフマン?


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『ソーシャル・ネットワーク』のイケメン双子くんとは
打って変わった繊細な雰囲気のアーミー・ハマー
(トルソンはフーヴァーより5歳下なのに)
あの老けメイクはちょっとやり過ぎだったけれど
彼の演技はとても良かった。


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『愛する人』『フェア・ゲーム』で最近お気に入りのナオミ・ワッツ
今回も芯の強い女性がよく似合っていた。



CSIシリーズが大好きな私としては
科学捜査の基礎がどのように確立していったのかにも興味があった。
そこのところはあっさりとしていて物足りないが
あくまでも人間フーヴァーを描くドラマなので致し方ない。



<満足度> ★★★☆
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by hasikkoami | 2012-02-18 14:39 | 映画館 | Comments(4)

by hasikkoami