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本と映画と時々音楽

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諸田 玲子/著


主に堕胎を扱う中條流の女医、江与。
当時堕胎はご法度であったが、中條流は表向きには産婦人科と
小児科を看板に掲げていることもあり、政府から黙認されていた。
しかし悪質な堕胎医が横行して来た為
中條流を一切禁止しようとする動きが出てきた・・・



物語の背景は堕胎の善悪と言う重いテーマ。
しかしその一方で、若く美しい女医江与と堕胎医を取り締まる側である奉行所の同心
清之助との道ならぬ恋の物語でもあるので、語り口はそれほど重くはなく、さらりと読める。
自らも心と体に傷を負った過去があり、苦しんでいる女たちに手を差し伸べずにはいられない
江与と、彼女を支える周囲の人々との交流にも心が温まる。
背景の堕胎と言うテーマについてはそもそも善悪を付けられるほど簡単な問題ではないし
この小説でも明確な答えは出ない。
ただ私たち読み手がどう受け取り、どう考えていくか、と言うことが大事なのかもしれない。
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by hasikkoami | 2007-02-28 13:46 | 図書館 | Comments(0)
第79回アカデミー賞

『ディパーテッド』が作品賞・・・

そりゃ監督賞がスコセッシって時点で間違いないとは思っていたけど・・・

そんなに面白かったですか・・・?

まあ、私は毎回アカデミー賞とは相性悪いけどね・・・^^;

個人的には『リトル・ミス・サンシャイン』の”エロじいちゃん”アラン・アーキンが
助演男優賞とったのが嬉しかったかな。(単に他の作品観てないだけだけど^^;)
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by hasikkoami | 2007-02-26 14:37 | お茶の間鑑賞 | Comments(0)
d0098286_14142680.jpgジュンパ・ラヒリ/著
小川 高義/訳

アメリカで暮らすインド人の若い夫婦。
夫は長男に、自分の命を救うことになった本の著者
ニコライ・ゴーゴリにちなんでゴーゴリと名づける。
やがて成長したゴーゴリはインド風でもアメリカ風でもない
ロシア風のこの名を恥じるようになっていく・・・



デビュー作の短編集「停電の夜に」に収められている作品はどれも印象深いものだったが
その中でも一際感動的だった「3度目で最後の大陸」のテーマを更に膨らませたような作品。
異国で暮らす人々の複雑な想いをその日常を丹念に描くことで描き出す。
取り立てて美しい言葉や飾り立てる表現を使っているわけでもなく
むしろ淡々としているにもかかわらず
その描写はとてもしっとりとして美しく、深く心に染み入るよう。

すでに映画化されアメリカではまもなく公開だとか。
予告を見た限りではなかなか良さそうだけど、日本で公開される日は来るかしら・・・
「The Namesake」公式サイト
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by hasikkoami | 2007-02-26 14:19 | 図書館 | Comments(0)
d0098286_12223839.jpg宮部 みゆき/著


”ぼんくら同心”平四郎と
時代劇版”名探偵コナン”弓之助コンビによる
連作時代劇ミステリー「ぼんくら」の続編。
長編「日暮らし」とその伏線ともなる短編5つが収録されている。


d0098286_12231127.jpg前作「ぼんくら」に比べ、平四郎の”ぼんくら”度は多少減り
弓之助の”コナンくん”度はますます冴え渡る。
お陰で「日暮らし」ではこの2人の活躍の比重が大きくなり
(主役なのだから当然だが)
私の大好きな脇役さんたちの出番が減ったようで少し寂しい(笑)
個人的にはしみじみとした味わいの短編の方が好きだが
上下刊を跨ぐ長編を最後までグイグイ読ませるところは流石。
しかし一応「時代劇ミステリー」なのでミステリー部分に注目すると
散々引っ張っといて、これ~!?
と言わざるを得ないのが少々残念。
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by hasikkoami | 2007-02-23 12:40 | 図書館 | Comments(0)
d0098286_11364932.jpgダニエル・キイス/著

結婚4年目の若い夫婦バーニーとカレンは不妊に悩み
夫婦仲もぎくしゃくしていた。
そんな時、バーニーの勤務先で放射能事故が発生。
まもなく二人の身体にも異変が起こり始め
しかもカレンの妊娠が発覚する・・・




1968年の作品だが2003年にアメリカで改訂出版されたのを機に初邦訳。
放射能事故の被害者であると同時に
周囲の人々からは被害を広めた加害者として迫害を受けるバーニーとカレン。
自分たちをこの様な状況に陥れた同僚マックスを
彼も被害者だと言うことが分かっていながら、どうしても許すことが出来ないバーニー。
この作品が書かれて40年近く経ち、放射能に対する知識も出生前診断も
この頃とは比べ物にならない程進歩しているはずなのに
結局私たちは何も進歩していないことを痛感させられる。
あとがきで「なぜ今新たに「タッチ」の改訂版を刊行するのか」について
キイスが語っているように、今こそ考えなくてはならない問題
考えれば考えるほど恐ろしく、その答えは簡単には見つからない。
まさしくキイスが

人間は葛藤し続けなくてはならない。
心が内部で葛藤しているということ、それが私のテーマだ。


と言うように・・・
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by hasikkoami | 2007-02-20 11:55 | 図書館 | Comments(0)
d0098286_20404142.jpg諸田 玲子/著

お鳥見女房シリーズ第4弾

源太夫一家が他家に仕官し以前の様に頻繁に訪れることはなくなり
次女君江も嫁ぎ、すっかり静かになった矢島家。
残る二人の息子たちにもそれぞれ想い人が出来
巣立ちの日も近い。



子供たちの成長を喜ぶ気持ちと取り残される寂しさ。
近い将来私にも訪れるであろうその時。
矢島家には珠世が「空の巣症候群」になる暇がないほど
また新たな騒動が持ち上がるだろうが、私は精々気をつけなければ・・・
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by hasikkoami | 2007-02-17 20:52 | 図書館 | Comments(4)
今日は『棚の隅』を観に行こうと思っていたのだが花粉症の影響か
数日前から出始めた咳が喘息患者並に酷くなってしまい泣く泣く(でも無いが)断念。
この作品、原作の連城三紀彦氏が名古屋出身の為か(珍しく)名古屋が最も早い公開。
先週の初日には連城三紀彦氏をはじめ、プロデューサー、監督、脚本家
それに大杉漣氏まで駆けつけるなかなか盛大な(?)舞台挨拶もあったらしいが
明日からは早くもヒョンビンとビョンさまに追われレイトショーに・・・(涙)
さすがの大杉漣も韓流おばさまには敵わないか・・・
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by hasikkoami | 2007-02-16 10:04 | お茶の間鑑賞 | Comments(2)
d0098286_14581381.jpg諸田 玲子/著

お鳥見女房シリーズ第3弾

図書館でシリーズ4作目の「狐狸の恋」を見つけるまで
この3作目が出てることすら知らなかった。
出版されてからすでに2年以上経ってるなんて・・・
ここ数年いかに本を読んでいないかってことだわ・・・^^;



1作目で行方不明になったお鳥見役の夫は2作目の最後でようやく帰ってきたものの
心に深い傷を負い、子供たちも皆生き方や恋に悩む年頃、と心配事は尽きない3作目。
しかし太陽の様な女房、珠世がいればきっと何とかなるだろう
と読んでるこちらまで大らかな気持ちにさせてくれる。
四季折々の美しい景色や食べ物、子供たちののびのびとした愛らしさなど
上質のホームドラマを見ているよう。
今作は息子たちの恋の行方が気になるところで終わるので
いつもならば「早く続きが読みたいよ~」となるところだが
幸い今回は第4作も手元にある。2年間気付かなかったのも満更悪くはないかも・・・(笑)
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by hasikkoami | 2007-02-15 15:00 | 図書館 | Comments(0)
d0098286_23365484.jpg北村 薫/著


男は海辺の町に部屋を借り
潮騒の常に響く窓辺の寝椅子に横になって
訪れる女たちの物語に耳を傾ける
現代の千夜一夜物語




17人の語り女(かたりめ)たちによる幻想的で、時に日常的な「謎」の物語
北村薫のゆったりと美しい文章が、優しく、時に恐ろしく、幻想の世界へと誘う
中でも一番印象的だったのは最後の「梅の木」
包み込まれるような優しさと温かさに涙が溢れて止まらなかった
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by hasikkoami | 2007-02-13 00:04 | 図書館 | Comments(0)
d0098286_2203028.jpg北村 薫/著

士族出身の財閥花村家に新しく女性運転手
別宮(べっく)みつ子がやって来る。
令嬢の”わたし”は彼女をサッカレーの小説「虚栄の市」の
ヒロインにちなんでベッキーさんと呼ぶことにする。
”わたし”はベッキーさんと話していると
流れていた霧が形ある雲になるように、
《おかしいな》と思う《気分》が、明確な《疑問》になる・・・


北村薫お得意の”ちょっと浮世離れした登場人物”と”日常の謎”もの
大正の香りが残る昭和初期の東京や上流階級の優雅で優しい雰囲気の中
好奇心旺盛なお嬢様と魅力的な若い女性運転手が身の周りの謎を解いて行く
しかしこの話の最大の謎は他ならぬベッキーさんだ
人を惹き付ける容姿、知性と教養に溢れ、武道や拳銃の腕前もかなりのもの
うっとりするほど紳士的(女性だけど^^;)な振る舞い
彼女は一体何者なのか?これから徐々に明らかになってくるはず・・・続編が楽しみ
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by hasikkoami | 2007-02-11 22:07 | 図書館 | Comments(0)

by hasikkoami