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図書館の隣の映画館

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本と映画と時々音楽

カテゴリ:図書館( 497 )

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エトガル・ケレット∥著
秋元 孝文∥訳
新潮社 2016.4

愛しい息子の誕生から、ホロコーストを生き延びた父の死までの、悲嘆と哄笑と祈りに満ちた7年。イスラエルに暮らす一家に訪れた激動の日々を、深い悲嘆と類い稀なユーモア、静かな祈りを込めて綴った36篇の自伝的エッセイ。

凄く、凄く、よかった。

息子の誕生から父の死までの7年間を綴った36篇のエッセイ。
テロ、イスラエルの現状、ユダヤ人としてのアイデンティティ。
テーマはとても複雑で重いけれど、そこにさりげなく寄り添うユーモアには思わず笑ってしまう。
そんな著者の人柄が表れている日本の読者へのメッセージもいいなぁ。


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by hasikkoami | 2016-11-09 07:57 | 図書館 | Comments(0)
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アミの会(仮)∥編
有栖川 有栖∥著
原書房 2016.6

有栖川有栖、小林泰三、篠田真由美、柴田よしきなど、人気作家8人による、「毒殺」縛りの書き下ろし短編集。致死量に詳しすぎる女、身近な毒…。
サスペンスから本格まで、バラエティ豊かな作品を収録。

様々なジャンルで活躍する女性作家の集まり
"アミの会(仮)"による短編アンソロジー第2弾。(今回はゲスト?で男性2名が参加)
前作同様さらっと読み易い半面、今一つガツンくる作品がないのが残念。
そんな中、一番好みだったのは松村比呂美さんの「ナザル」。
光原百合さんの「三人の女の物語」も『マレフィセント』ぽくて面白かった。

ところで以前、恒川光太郎さんの「スタープレイヤー」でもそうだったように、
今は本にもプロモーションビデオが作られるのね~時代だなぁ。


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by hasikkoami | 2016-11-09 07:53 | 図書館 | Comments(0)
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ロード・ダンセイニ∥著
中野 善夫∥訳
国書刊行会 2015.12

初老の紳士ジョーキンズがウィスキーを片手に、実話と称して語り出す若かりし日の思い出-。19世紀末~20世紀前半のイギリスを舞台とした、笑いと冒険に満ちたユーモア小説集。

毎晩、寝る前にベッドの中で1話づつ読んだ。
次のお話に行きたいのをぐっと堪えて眠りにつくのもまた幸せな時間。
こんな楽しい話が聞けるなら、そりゃお酒くらい奢るわ。
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by hasikkoami | 2016-11-08 07:51 | 図書館 | Comments(0)
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フェルディナント・フォン・シーラッハ∥著
酒寄 進一∥訳
東京創元社 2016.7

ハイジャックされた旅客機を独断で撃墜し、乗客164人を殺して市民7万人を救った空軍少佐。彼は英雄か? 犯罪者か?
有罪と無罪、ふたとおりの判決が用意された衝撃の法廷劇。

読む度に衝撃を受け、考えさせられるシーラッハ。
今回は初の戯曲で160頁弱と短いこともあり、まさしく舞台劇を観ているような緊張感のまま、
ほんの1時間程で読み終えてしまった。
しかし提示される問題や考えさせられることはあまりに多く、
読むの費やした時間の何倍も多くの時間を、その余韻に費やすことになった。
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by hasikkoami | 2016-11-08 07:47 | 図書館 | Comments(0)
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角田 光代∥著
幻冬舎 2016.5

減らない体重、ひどくなる二日酔い、乾燥する肌…。それは、劣った自分ではなく、新しい自分。「変わりゆくカラダ」を好奇心たっぷりに綴る、共感必至の32編。『星星峡』『幻冬舎Plus』連載を書籍化。


角田さんとは同学年なので読みながらずっと、うんうん!あるある~!の繰り返し(笑)
それに読書体力や、文章と漫画では脳の使い方違う、と言う話には目から鱗。
(息子おすすめの)「進撃の巨人」に挫折した原因が加齢だったとは!

ただいま更年期真っ只中の私。
連載中の角田さんは40代後半で、まだ更年期には入ってらっしゃらないようなので
続編を強く希望します(笑)
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by hasikkoami | 2016-11-07 07:47 | 図書館 | Comments(0)
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又吉 直樹∥著
小学館 2016.6


芸人で、芥川賞作家の又吉直樹が、少年期からこれまで読んできた数々の小説を通して、「なぜ本を読むのか」「文学の何がおもしろいのか」「人間とは何か」を考える。芥川賞受賞作「火花」の創作秘話や、自著への想いも明かす。


「第2図書係補佐」でもそうだったように、
本について語るこの人の文章が読んでいてとても心地よいのは
(芥川賞作家に対してこんなことを言うのは失礼かもしれないが)
それが作家目線ではなく、あくまでも読者目線で語られているからだと思う。
そして何より、本が好きで好きでたまらない気持ちと
数々の"夜を乗り越え"させてくれた本たちに対する感謝の気持ちが
文章の端々から溢れているからなのかな。
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by hasikkoami | 2016-11-07 07:42 | 図書館 | Comments(0)
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パトリシア・ハイスミス∥著
宮脇 孝雄∥訳
河出書房新社 2005.1

女流ミステリ作家、パトリシア・ハイスミスによる単行本未収録の初期作品を集めた短篇集。人間心理の危うさを鋭く描く個性は、この時点ですでに確立されていた! ファン垂涎の一冊!


『太陽がいっぱい』のイメージから日本ではミステリ作家のイメージが強い
パトリシア・ハイスミスだけれど、ご本人はそう言われるのが不本意だったらしい。
そしてこの短編集に収められている作品たちも決してミステリではない。
しかしどの作品にも、どこか不穏な空気が立ち込め、ヒリヒリする様な、ゾクゾクするような、
妙に落ち着かない気分にさせられるのは、ある意味サスペンス小説と言えるかも。
後味の悪い作品がほとんどの中、最後の「ルイーザを呼ぶベル」の優しさが嬉しい。
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by hasikkoami | 2016-08-19 07:49 | 図書館 | Comments(2)
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アンドレアス・セシェ∥著
酒寄 進一∥訳
西村書店 2016.6

内気な青年ヤニスはアテネの古びた書店で、神秘的な女店主リオに出会い本談義に夢中になる。しかし、リオはふいに消息を絶つ。手がかりを探すヤニスが辿り着いた世界とは? 現実と虚構と謎を織り込んだ、本好きのための物語。


「囀(さえず)る魚」と言うミステリアスなタイトルと
美しい装丁が何とも魅力的な本作。
本好きのための物語、とあるだけに
次から次へと出てくる古今東西の本や作家の蘊蓄、
本好きなら一度はしたことがありそうな妄想の数々は
読んでいてとても楽しいのだけれど
若干ヤングアダルト小説風でもあり、若い人向きかな、と言う印象。
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by hasikkoami | 2016-08-18 07:51 | 図書館 | Comments(0)
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アレクサンダー・マクラウド∥著
小竹 由美子∥訳
新潮社 2016.5

カナダの街ウィンザーで煉瓦敷きに励む男たち。働き者の高校生がバイトを辞めることになり、リーダー格のトムが皆をバーに誘うが、そこでまさかの事件が…。誰の人生にも起こりうる、瞬間のドラマを切り取った7篇。


本書の著者アレクサンダー・マクラウドの父親である
アリステア・マクラウドは大好きな作家。
(と言いつつ唯一の長編である「彼方なる歌に耳を澄ませよ」は未読^^;)
教職に就きながらコツコツと短編小説を書き、
31年間にわずか16篇という寡黙な作家だった父アリステア。
同じく教職の傍ら書きためた短編集でデビューを果たした息子アレクサンダー。
まさに蛙の子は蛙と言うべきか、父親と切り口やテイストは違うけれど、
根っこの部分ではしっかり繋がっている気がする、期待以上に素晴らしい短編集だった。
これからの作品が大変楽しみではあるが、
どうやら寡作なところも父親譲りらしいので、気長に待つとしよう。
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by hasikkoami | 2016-08-17 07:45 | 図書館 | Comments(8)
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スティーヴン・ミルハウザー∥著
柴田 元幸∥訳
白水社 2016.6

何を求めているかもわからず落ち着かない少女、ひとつの小説を長年書きつづけている男…。夏の夜更け、町中をさまよう人びとが交叉し、屋根裏部屋の人形たちが目を覚ます。およそ半世紀前のアメリカを舞台とするおとぎ話。


アメリカ東海岸の海辺の町の夏の一夜。
人々は月の光に誘われる様に街を彷徨い、
ショウウインドウのマネキンや屋根裏部屋の人形達は、月の光に生を受け動き出す。
それぞれの孤独を抱きしめて生きる彼らは、寂しいけれど、決して悲しいわけではない。

帯には「月の光でお読みください」とある。
ああ、なんてロマンチック。。。(老眼の私には無理だけど)
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by hasikkoami | 2016-08-16 08:05 | 図書館 | Comments(0)

by hasikkoami