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図書館の隣の映画館

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本と映画と時々音楽

カテゴリ:映画館( 657 )

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公式サイト
2015年 アメリカ
上映時間 122分
監督 ピーター・ランデスマン


挑んだのは、

真実との戦い






今月はいつもに増して地元の映画館で観たい作品がかからなかった上に
元来の出不精に拍車がかかり、11月の劇場鑑賞はこの1本だけ。
この10年で一番映画館に行かない月だった。

ウィル・スミスはあまり好きではないので(ごめん)
本来ならばスルーするところなんだけど、
(上映館は少ないものの)全国ロードショー作品にもかかわらず
何故か愛知県内では"メ〜シネマ"での上映で料金は一律1100円。
ならば観とこっかな~位の軽い気持ちだったのだが、
これが思いの他、骨太で見応えのある作品だった。


頭部への反復する傷害が原因となる脳の病気である
「慢性外傷性脳症(CTE)」を発見し、
アメフトとの因果関係について言及した、
実在の神経病理学者の物語。

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いや~これほどウィル・スミスぽくないウィル・スミスも珍しいわ。
訛りのある英語と控えめな物腰からにじみ出る誠実さと知性は
まるでデンゼル・ワシントンの様ではないか。
(決してウィルが誠実さと知性に欠けると言ってるわけではない←言ってる)

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皮肉屋だけど、理解ある上司役のアルバート・ブルックスも良かった。

しかし

「慢性外傷性脳症(CTE)」の危険性を訴えてはいても
決してアメフトを否定せず、
むしろリスペクトさえしている誠実な作品にもかかわらず、
本国での興行成績は今一つだったらしい。

結局のところ

「フットボールを女の遊びにするつもりか」

「気に入らんね。聞きたくもない」

これが米国民の本音だと言うことだろうか。

★★★☆

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by hasikkoami | 2016-11-29 08:25 | 映画館 | Comments(8)
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公式サイト
2015年 フランス
上映時間 1906分
監督 パスカル・プザドゥー


本当の自由を、

母が教えてくれた。





またもや(詐欺まがいの)軽やかな邦題と
コメディ調の予告編に騙されるところだった。

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2002年にリオネル・ジョスパン元フランス首相の実母が
自らの人生を終える日を決め、実行したことについて、
作家でもある彼女の娘が書いたノンフィクション
「最後の教え」を基にした本作は思った以上に重く、
シリアスに尊厳死と向き合う作品だった。

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体の自由が利かなくなり、
気力があるうちに人生の幕引きをしたいからと
"2ヶ月後に逝きます"宣言をした母親に戸惑う家族。

最後まで"自分らしさ"を貫こうとする母。
それを認めようと努力する娘と
どうしても認めることが出来ない息子。

自分が歳をとったら、
家族に迷惑をかけないようにぽっくり逝きたい、と誰もが願う。
でも、自分がその残される家族だったら?

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愛情  苦悩  葛藤

尊厳とは何か  老いるとはどういうことか

様々な想いが入り乱れ、結論は出ない。 

★★★☆

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by hasikkoami | 2016-11-06 11:47 | 映画館 | Comments(0)
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公式サイト
2016年 イギリス/フランス
上映時間 107分
監督 スザンナ・ホワイト



何故、僕を選んだ―






平凡な大学教授が、
旅先で偶然ロシアンマフィアの大物金庫番と知り合ったことで
陰謀渦巻く亡命劇に巻き込まれて行くサスペンス。

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近年のジョン・ル・カレ原作の
『誰よりも狙われた男』と『裏切りのサーカス』は
諜報員を主人公にした"緻密な頭脳戦"で、
世界情勢や時代背景などの予備知識があった方がより楽しめる作品。

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対して本作は

一般人が主人公の"巻き込まれ型サスペンス"で、
ロシアンマフィアやマネーロンダリングについての知識が無くても
むしろ主人公とのシンクロ度が高まり、
少々場当たり的で緻密さには欠けるものの、
ハラハラドキドキ感が堪能出来るエンターテインメント作品。

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元MI6職員の経歴を持つル・カレならではの組織への冷やかな視線と

「テロリストのベッドの下にあろうと、
銀行の金庫の中にあろうと、
汚れた金だ。(うろ覚え)」

の台詞。

後に残る虚しさも印象的だった。

★★★☆

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by hasikkoami | 2016-11-06 10:57 | 映画館 | Comments(2)
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公式サイト
2015年 イギリス
上映時間 97分
監督 ジュリアン・ジャロルド


ティアラを置いた、

世界が輝いた。





エリザベス女王が19歳の王女時代に、
非公式に一夜の外出を許された実話を基にしたファンタジー。

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サラ・ガドンはこれまで、
クローネンバーグ父子やドゥニ・ビルヌーブと言った
少々癖のある作品が多かったので(私が大作系を見てない所為もある)
その美貌と相まって、ミステリアスで近寄りがたいイメージがあった。

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それがこの作品では、気品溢れる美しさの中にも愛らしさがあり魅力炸裂056.gif
ラストの「他言無用よ」にズキューン(死語)053.gifとこない人はいないでしょ!

生真面目な姉エリザベスとは正反対の
自由奔放な妹マーガレットを演じたベル・パウリーも
負けず劣らずチャーミング(これまた死語)で

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護衛2人の何とも憎めないダメっぷりや
国王一家の仲睦まじさにも思わず頬が緩む、
ほのぼのとしてとても後味のいい作品だった。

★★★☆

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by hasikkoami | 2016-11-04 07:52 | 映画館 | Comments(2)
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公式サイト
2016年 日本/フランス
上映時間 119分
監督 深田晃司


あの男が現れるまで、

私たちは家族だった





ある日突然現れた一人の男によって
崩壊して行く家族の物語。

いや~怖かった~。
ヘタなホラーなんか目じゃないわ...(||゚Д゚)...

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浅野忠信の"棒読み&能面"が
男の底知れぬ不気味さと存在感を際立たせ、
『百円の恋』の安藤サクラに匹敵する
筒井真理子の女優魂も素晴らしかった。

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しかし何より私が恐ろしかったのは
前半あまり生気が感じられなかったのに
後半、妙に生き生きとしだした夫が口にした
「ほっとした」と言う言葉。

娘が受けた残酷な運命が
まるで自分の禊(みそぎ)であったかの様に言う、
そのさばさばとした表情に背筋が凍りついた。

まさしく、人の心の深い闇を覗く
"淵"に立たされた気分だった。

★★★☆

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by hasikkoami | 2016-11-03 09:45 | 映画館 | Comments(0)
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2015年 スウェーデン/ドイツ
上映時間 95分
監督 サンナ・レンケン



東海地方のコロナシネマワールド7館で
日本未公開の外国映画を月替わりで上映する
東海地方限定企画"メ〜シネマ"第5弾





美人でフィギュアスケートが上手な高校生の姉と
ちょっぴり太めの妹。

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思春期の階段を上り始めたばかりの妹の目を通して描かれる、
家族の葛藤と絆の物語。

そして同時に

美しい姉に対する憧れと嫉妬、
姉妹としての愛情の間で揺れる、
繊細で瑞々しい少女の成長物語でもある。

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背伸びする必要なんかないんだ、と気付くことが
本当の意味で"大人になる"ってことかもしれないなぁ
と思えるラストが素敵。


前回の
『COME AS YOU ARE ~ありのままで~ 』
と言い、
地味だけれど良質な作品をチョイスしてくれるこの企画。
私にはすっかり"月に一度のお楽しみ"になっている。

★★★★

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by hasikkoami | 2016-10-31 07:40 | 映画館 | Comments(2)
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公式サイト
2015年 ブラジル
上映時間 103分
監督 セルジオ・マシャード


奏でよ、希望を!

拓け、未来を!





ブラジルのスラム街の子どもたちにより結成された
クラシック交響楽団「エリオポリス」誕生の実話。

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有名交響楽団のオーディションに落ち、
スラム街の学校で音楽教師の職に就くヴァイオリニストと
楽譜の読み方はおろか、楽器の持ち方も知らない子供たち。

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生活の為に仕方なくスラムに足を踏み入れた者と
スラムから抜け出す術を持たない者が
音楽によって信頼関係を築いて行く姿は感動的だった。

しかし、単なるサクセスストーリーとは違う後半の衝撃的な展開と
その悲しみを乗り越えて射す"光"のラストの裏で
さりげなく、しかし意図的に見え隠れする
ブラジルの現実と抱える"闇"に何とも複雑な気持ちになった。

★★★

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by hasikkoami | 2016-10-28 08:07 | 映画館 | Comments(0)
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公式サイト
2016年 アメリカ
上映時間 96分
監督 クリント・イーストウッド


155人の命を救い、

容疑者になった男。





以前からその傾向はあったものの
最近ますますハリウッドの大作系に食指が動かなくなってきた。
それはたとえイーストウッド作品とて同じことで
これもさして観たいと思っていたわけではなく
他に鑑賞予定の作品がなかったから選んだに過ぎない。
しかし、これは本当に観てよかった。

イーストウッドだから単純なヒーローものではなく
後で"ずーん"とか"どーん"とか←語彙が貧困過ぎ
くる作品なんだろうなぁと思っていたら
実にシンプルでストレートな感動もので
『ジャージー・ボーイズ』と言い、80歳を超えて尚この意外性。
イーストウッドはやっぱり凄い。

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この事故のことは、
当時ニュース映像で見た映像と共によく憶えているが
全米がサリーフィーバーに沸くその裏で
あんなことが起こっていたとは。。。

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魔の208秒間を沈着冷静に切り抜けながらも
時間が経つにつれ自らの判断に自信を失い
追い詰められて行く姿に彼の人間性を感じ
ホテルに入った後も制服にこだわる姿は
常に職務を全うしようとする気持の表れに見えた。

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地味ながら最後で美味しいところをさらって行く
アーロン・エッカートもよかったし
落ちて行く機内で「 Head down! Stay down!」と
冷静に言い続けるスタッフ、乗客、救助にあたった人々、
皆が自分のやるべきことをやったからこそ起きた奇跡に
素直に感動した。

★★★★

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by hasikkoami | 2016-10-02 19:48 | 映画館 | Comments(6)
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公式サイト
2016年 日本
上映時間 141分
監督 李相日



あなたは殺人犯ですか?






あまりにも濃密で
衝撃的な人間ドラマだった。

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平行する3つのエピソード
それぞれが1つの作品になりそうなほど強烈に主張していながら
きちんと1本の作品としてまとまっている。

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そして何より、俳優陣の演技に圧倒された。
役者を極限まで追い込むサド監督として有名な(そうなのか?)
李相日監督の本領発揮!!
それぞれの役者さんたちの最高の演技が引き出されていた。
(すずちゃんがトラウマにならないかと心配です)

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ラスト、真っ黒なスクリーンに浮かぶ






の文字に、体が震えた。

★★★★

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by hasikkoami | 2016-09-29 07:43 | 映画館 | Comments(4)
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公式サイト
2016年 ドイツ
上映時間 101分
監督 マルガレーテ・フォン・トロッタ

母と同じ顔をした
メトロポリタン・オペラのプリマドンナ。

彼女は誰なのか?






いや~まんまと騙されたわよ!

思わせぶりな邦題と予告に!!



てっきりミステリーかと思いきや
情けない男たちと、振り回されながらも
彼らを愛さずにはいられない女の
皮肉たっぷりのドタバタ人間模様。

そうならそうと初めから言ってよね。^^;

『 フラワーショウ! 』と同じで、完全にミスリードされちゃってるから
気付いた時は後の祭りで、結局最後まで乗り切れず...

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見どころと言えば
バルバラ・スコヴァとカッチャ・リーマンの
美しい歌声くらい。(ってことは聴きどころか)

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★★

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by hasikkoami | 2016-09-28 07:57 | 映画館 | Comments(0)

by hasikkoami