「千年の祈り」
イーユン・リー/著 篠森ゆりこ/訳
新潮社 2007年07月
父と娘のあいだに横たわる秘密と、人生の黄昏にある男女の濁りない情愛。ミス・カサブランカとよばれる独身教師の埋めようのない心の穴。反対を押し切って結婚した従兄妹同士の、平らかではない歳月とその果ての絆・・・北京生まれの新人女性作家による、第1回フランク・オコナー国際短篇賞他、各賞独占のデビュー短篇集。
まさに新潮クレスト・ブックスにハズレなし!の素晴らしい短編集。
簡潔な文体で語られる登場人物の深い孤独や哀しみ
短編とは思えぬ奥行きの深さや豊かな余韻はジュンパ・ラヒリを彷彿とさせる。
表題作の「千年の祈り」はアメリカで映画化され
第55回ドノスティア=サン・セバスティアン国際映画祭でグランプリを受賞している。
是非日本でも公開して欲しいなぁ。
by hasikkoami
| 2009-02-26 16:35
| 図書館