「アサッテの人」
諏訪哲史/著
講談社 2007年07月
「ポンパ!」 突如失踪してしまった叔父が発する奇声!
アパートに残された、叔父の荷物を引き取りに行った主人公は、そこで叔父の残した日記を見つける・・・
第137回芥川賞受賞作品
読み始めは正直よく分からない、と言うかなんじゃこりゃ?って感じだったのだが、叔父やその妻の日記が出てくるあたりからなかなか面白くなってくる。そしてだんだんもの悲しくなってくる。この小説の登場人物とはタイプは異なるが、我が家にもアサッテの方角を向いている人間が若干一名いるので、彼もこれからこんな風に生きにくさを感じながら生きていくのかと思うと、人事ではなく切ない。そして自分のことを顧みても、叔父やチューリップ男の様な衝動がないか?と問われれば否定できない。
by hasikkoami
| 2008-04-22 11:08
| 図書館