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図書館の隣の映画館

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本と映画と時々音楽

『善き人のためのソナタ』

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2006年 ドイツ
上映時間 138分
監督 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
公式サイト








津波のような映画だった

寄せては返す小さな波が
やがて音もなく引いて行き
いつの間にか大きな波となって
私をさらって行った


どんな時もほとんど変わることの無いヴィースラーの表情のように
映画自体も静かに淡々と、しかし緊張感は途切れることなく続いていく。
それまで国家に忠実に仕え出世を目前にしたヴィースラーが
自らの危険を冒してまでも反体制主義と疑われる劇作家とその恋人を
守ろうとするに到る過程はもっとドラマチックに描くことも出来ただろう。
しかし彼は意外なほどあっさりと映画の原題でもある
「Das Leben der Anderen(あちら側の人々)」に心を寄せて行く。
私にはそれがかえって彼の心の内にある哀しみや孤独を感じさせた。
たとえ大きな出来事などなくても、ほんの些細なきっかけで
人は自らの心の声に気付くことがあるのだと思う。
心の声に気付き、従ったからこそのあのラストシーンに
私の心はすっかりさらわれてしまった。
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by hasikkoami | 2007-03-11 23:34 | 映画館 | Comments(2)
Commented by mario5846 at 2007-03-12 00:19
ああ、まだ観に行けていません^^;先日の某所でのサイン会の後に、あれも観たいこれも観ようと計画していたのに、なんだか舞い上がってしまって結局1本も観ずにそそくさと帰宅してしまいました(笑)最後の1行にあみさんの感想がすべて込められているのですね。ますます観たくなってきました。舞い上がってないで観に行くべきだった!(笑)
Commented by hasikkoami at 2007-03-14 10:28
★marioさん、お返事が遅くなり申し訳ありません。^^;
>舞い上がってないで観に行くべきだった!(笑)
いいえ!あの日は断じて観に行くべきではなかったのですよ!
あの甘~く感動的な一時を胸にまっすぐお家に帰って正解だったのですよ。たとえどんな映画もあの方のあの一言ほどmarioさんの心をさらうことは出来なかったでしょうから(笑)
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