『 92歳のパリジェンヌ 』
公式サイト
2015年 フランス
上映時間 1906分
監督 パスカル・プザドゥー
本当の自由を、
母が教えてくれた。
またもや(詐欺まがいの)軽やかな邦題と
コメディ調の予告編に騙されるところだった。
2002年にリオネル・ジョスパン元フランス首相の実母が
自らの人生を終える日を決め、実行したことについて、
作家でもある彼女の娘が書いたノンフィクション
「最後の教え」を基にした本作は思った以上に重く、
シリアスに尊厳死と向き合う作品だった。
体の自由が利かなくなり、
気力があるうちに人生の幕引きをしたいからと
"2ヶ月後に逝きます"宣言をした母親に戸惑う家族。
最後まで"自分らしさ"を貫こうとする母。
それを認めようと努力する娘と
どうしても認めることが出来ない息子。
自分が歳をとったら、
家族に迷惑をかけないようにぽっくり逝きたい、と誰もが願う。
でも、自分がその残される家族だったら?
愛情 苦悩 葛藤
尊厳とは何か 老いるとはどういうことか
様々な想いが入り乱れ、結論は出ない。
★★★☆
by hasikkoami
| 2016-11-06 11:47
| 映画館