『 黄金のアデーレ 名画の帰還 』
公式サイト
2015年 アメリカ/イギリス
上映時間 109分
監督 サイモン・カーティス
幸せな記憶を封印したウィーンで、
私は<家族>を取り戻す――
クリムトの絵をめぐる裁判のことはニュースで知っていたし
あまりに高額な売却価格に(当時は)「結局お金かぁ...ーー;」と思ってしまい
本作も実はちょっぴり冷めた目で観ていた自分を反省させられた...... ( 〃..)ノ
過去と現在を行き来しながら語られる物語は
それぞれが1本の映画になりそうなほどドラマチック
夢の様に華やかな生活から一転
全てを奪われ祖国を追われるマリアの境遇が
氷山の一角であることが恐ろしかった
しかし
老いてなお、凛としてチャーミングな、現在のマリア
勝気で活き活きとした、若き日のマリア
クリムトの絵から抜け出したような、艶やかなアデーレ
そして
内助の功のシェーンベルクの奥さんや
ちらっと出てきただけの判事さんまで
女性たちが皆とても魅力的で
クリムトの絵以上に輝いていた
先に観た『ミケランジェロ・プロジェクト』の中に
「優れた芸術品は個人が所有すべきではない」と言う台詞があり
実は私もこれまでそう思っていた
しかしどれほど価値のある芸術品であろうと
それは同時に、とても個人的なものでもある
と言うことに気付かされた
★★★☆
by hasikkoami
| 2015-12-09 23:15
| 映画館