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図書館の隣の映画館

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本と映画と時々音楽

「 禁忌 」

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フェルディナント・フォン・シーラッハ【著】  
酒寄 進一【訳】
東京創元社(2015/01発売)

共感覚を持つ写真家ゼバスティアンは、若い女性の誘拐・殺人容疑で逮捕される。法廷で暴き出される、美と人間の本質、そして司法の陥穽とは。


緑と赤と青の光が同等にまざりあうとき、
それは白に見える。
    ヘルムホルツの色彩論

冒頭に掲げられたこの言葉が全てを表していた。
そして読了後、あらためてこの装丁を見直した時は、まさに鳥肌の立つ思いだった。

シーラッハはこれまでの3作で「罪」について散々考えさせられたと思ったら
今度は「罪」について考えること自体、無意味なことだと思い知らされるとは...

しかし、たとえそれが無意味な行為だとしても
「罪」「悪」そして「善」「モラル」とは何か?と考えずにはいられない。

そして作品中の長時間露出について書かれた

本質的なもの以外全て消し去り、
体や顔の輪郭線だけが可視化される


この言葉はまさにシーラッハの作品そのものだと思った。
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by hasikkoami | 2015-07-07 22:16 | 図書館 | Comments(0)
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