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図書館の隣の映画館

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本と映画と時々音楽

「 罪悪 」

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フェルディナント・フォン・シーラッハ【著】酒寄 進一【訳】
東京創元社(2012/02発売)

この世には裁くことのできない「罪」がある。
現実の事件に材を得て、罪人たちの真実の姿を描く、
『犯罪』の著者による連作短編集。


前作の「犯罪」ですっかり虜になってしまった
フェルディナント・フォン・シーラッハの2作目。

「犯罪」より収録数が多く掌編もある為
ともするとさらっと読めてしまえそうなのに
淡々と写実的に語られる短い物語の中でさえ
「罪」とは何か?「裁き」とは何か?を深く考えさせられる。

「ふるさと祭り」の怒り、「遺伝子」の哀しみ、「イルミナティ」の痛み、
「解剖学」「鍵」「司法当局」「秘密」のブラックなユーモア
そして「雪」のしっとりとしたあたたかさ。

エンターテインメント性が無くてもこんなにも面白く
これほど短くても、鋭く、深く、そして密に
「人間」を描く犯罪小説があることに感動する。
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by hasikkoami | 2015-05-07 22:54 | 図書館 | Comments(2)
Commented by ぺろんぱ at 2015-06-11 12:27 x
こちらにもお邪魔させて頂きます。

先日読了しました(こっちは私も図書館で借りました(^^))。
犯した罪とその背後に潜む真の罪悪と、そして人が人を弁護することの深奥さと弁護でもたらされる功罪と、、、やはり淡々と綴られる文章なのにつくづく深い作品だと感じました。

こちらのご紹介もありがとうございました。

Commented by hasikkoami at 2015-06-11 22:42
★ ぺろんぱさん ★

1つ目の「ふるさと祭り」でいきなりガツンとやられた感じで
人が人を裁くことや弁護することの複雑さを痛感しました。
余分な物を削ぎ落とした文章だからこそ
尚更その深さが際立つのかもしれませんね。

こちらこそ、読んで下さってありがとうございます。
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