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図書館の隣の映画館

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本と映画と時々音楽

『 少女は自転車にのって 』

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公式サイト
2012年 サウジアラビア/ドイツ
上映時間 97分
監督 ハイファ・アル=マンスール


ワジダ、10歳。

明日に向かってペダルをこぐ。




幼馴染の男の子と自転車の競争がしたい10歳の女の子ワジダ。
母親に自転車が欲しいとねだるが「女の子が自転車なんて!」と聞く耳を持たない。
そこで自転車代の800リヤル(日本円にして2万円ちょっと)を溜める為
あの手この手で奔走する...

こうしてあらすじにすればほのぼのとしたお話で
実際に映画もとても可愛らしいのだけれど
その背景にあるのは、男尊女卑どころか、
女に人権などない!と言わんばかりのサウジアラビアの現実。

私が所謂イスラム圏の映画を初めてきちんと観たのは
おそらくユルマズ・ギュネイ監督のトルコ映画『 路 』だったと思う。
初めて触れるイスラム社会の不条理さに打ちのめされ
友人と二人、映画館から駅までの道をただひたすら無言で歩いたことを覚えている。

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あれから30年近くが経ち、他のイスラム諸国で女性の人権が徐々に見直されていく中、
サウジアラビアでは未だに女性を一人の人間として見なしていない気さえする。

しかしそんな抑圧の中でも女性たちは自分なりの楽しみや幸せを見つけていくのだから
やはり女は強いなぁと思うのだ。

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ワジダ好みのヘルメットを用意するアブダラや
自転車をとっておいてくれた店のおじさんなどを見れば
男性にだって希望が持てないわけじゃない。

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彼らの思いと、何より母の願いを託した自転車で
アブダラを振り切り(笑)前だけを見つめるワジダ。

道を渡ろうとする彼女の前を通り過ぎる何台もの車が
彼女の進む道が決して平坦ではないことを示唆しているが
それでも彼女は絶対に諦めないだろうと思える。

だってワジダはとても強かな女の子だもの。

★★★☆

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by hasikkoami | 2014-03-08 13:57 | 映画館 | Comments(2)
Commented by ぺろんぱ at 2014-03-21 15:31 x
こんにちは。
なかなかお伺い出来ず、やっと今コメントさせて頂いています。スマホからの投稿ですが、上手く届くでしょうか。??

そうかぁ、、、あのラストシーンにはそういう監督の意図もあったのだなぁと、しみじみと読ませて頂きました。
なんか、もう一回観返したくなってきました。??

前半のワジダの中々のしたたか振りも、逞しさとしなやかさの成せる技だったのですね。
いつの世も、どの国に生きていても、女は強くありたいものです。私も。


Commented by hasikkoami at 2014-03-21 20:41
★ぺろんぱさん、
今ぺろんぱさんが抱えていらっしゃることを私は想像することも出来ませんが
どうかご無理なさらず、ゆっくりと心と体を癒されることを願うばかりです。

さて、あのラストシーンについてはあくまでも私がそう感じたと言うだけで
そういう監督の意図があったかどうかはわかりませんが(笑)
行く手を阻まれてもしっかりと前を見つめるワジダの立ち姿がとても印象的でした。
私もこのところ気弱になることが多いので、彼女を見習って強くあらねば!(笑)
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