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図書館の隣の映画館

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本と映画と時々音楽

『シュガーマン 奇跡に愛された男』

『シュガーマン 奇跡に愛された男』_d0098286_20542822.jpg
公式サイト
2012年 スウェーデン/イギリス
上映時間 85分
監督 マリク・ベンジェルール


驚くべき人生に

胸が震える──




最近観た音楽ドキュメンタリーでは
『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』に感動し、ラストは涙、涙。。。だったけれど、
残念ながらメタルはあまり好きではないので彼らの音楽自体が心に残ることはなかった。

しかし今作はサンダンス映画祭で話題になり予告を見た時から
ロドリゲスのちょっとクセのある声に魅せられて、日本公開も決まらぬうちに
(正直日本公開されると思ってなかった)輸入版サントラを購入。
ブルースだけではなく、クラッシック調のインストゥルメンタルからファンキーなソウルまで
様々なジャンルがミックスされたアルバムは聴けば聴くほどクセになり、
本編を観る前からすっかりロドリゲスファンに。

映画は原題の「 SEARCHING FOR SUGAR MAN 」の通り、
南アフリカではエルヴィス・プレスリーを凌ぐ伝説的な存在でありながらその実態は謎に包まれ、
様々な都市伝説が囁かれる「 SUGAR MAN 」ことロドリゲスの消息を彼の熱狂的ファンが探る。
ロドリゲスを知る人々へのインタビューを通して少しずつ彼の人物像が浮かび上がってはくるものの
当の本人は中々姿を現さないミステリータッチな展開も功を奏して、
「 Sandrevan Lullaby 」の美しいメロディをバックに
ロドリゲスが初めてその姿を現す場面では思わず鳥肌が立つほど興奮した。
実際のロドリゲスはあんな過激な歌詞を書いた人とは思えないほど謙虚で穏やか。
「アンヴィル」はその往生際の悪さが愛おしくなってしまうロックバカオヤジたちだったけれど、
「執着」と言う言葉から最も遠くにいるようなロドリゲスはまるで「仙人」の様。
熱狂する5000人の大観衆を前に公演した後でもなんら変わることのないその姿勢に心を打たれる。



<満足度> ★★★★☆
by hasikkoami | 2013-04-28 20:59 | 映画館