ブログトップ

図書館の隣の映画館

hasikko.exblog.jp

本と映画と時々音楽

『東ベルリンから来た女』

d0098286_20925.png
公式サイト
2012年 ドイツ
上映時間 105分 
監督 クリスティアン・ペツォールト

東と西。
嘘と真実。
自由と使命。
その狭間で揺れる、愛。




ベルリンの壁崩壊前の1980年、旧東ドイツ。田舎町の病院に女医バルバラが赴任してくる。
西側への移住申請をしたことで秘密警察に拘束され大病院から左遷されて来た彼女は
周囲に溶け込もうとせず、同僚たちから孤立していた・・・



d0098286_20112390.png
左遷後も秘密警察の監視下に置かれ、心身ともに疲れきっているバルバラ。
常にピリピリした空気を纏い同僚にも心を開こうとしないが
患者への親身な対応に本来の優しさが垣間見える。

d0098286_20134362.png
孤立するバルバラにも好意的に接する同僚アンドレ。
疑心暗鬼に駆られたバルバラは、そんな彼の優しさにすらはじめ疑いの眼差しを向けるが
不自由な現状の中で精一杯医師としての職務を全うしようとする誠実な姿に心を動かされ始める。

憎むべき秘密警察の男の家族の境遇。
バルバラを慕う傷ついた少女。
頭の怪我で感情を失った青年。

彼らの存在もまたバルバラの心を揺さぶる。




d0098286_201255100.png

だからラストでバルバラが選んだのは“東の誠実な男”ではなく、自分自身だったのだと思う。

医師として、人としての良心に従っての選択だからこそ
あのように晴れ晴れとした表情でアンドレに微笑みかけることが出来たのではないだろうか。

そしてエンドロールに流れるのは CHIC の 「At Last I Am Free」のライブVer.
この作品の重苦しい雰囲気には不似合いに思える軽やかなバラードに始めは違和感を覚えたが
聴いているうちにこの曲ほどこのラストに相応しい曲はない様に思えてきた。
彼女は本当の意味の自由を手に入れたのだから。

<満足度> ★★★★
[PR]
by hasikkoami | 2013-04-03 20:21 | 映画館 | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード

by hasikkoami