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図書館の隣の映画館

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本と映画と時々音楽

『その夜の侍』

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公式サイト
2012年 日本 
上映時間 119分
監督 赤堀雅秋


「お前を殺して、俺は死ぬ。」
愚かに、無様に、
それでも生きていく。





これは後からジワジワくる作品かもしれない。

不愉快に肌に張り付く湿度の高さと不条理な笑い、
心の闇と孤独を容赦なく抉り出す感じがいかにも戯曲っぽいなぁ、と言うのが第一印象。

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主役の二人をはじめ脇役隅々に至るまで俳優さんたちは演技派揃い。


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お気に入りは久保ちゃん。彼の不器用な優しさに泣いた。
青木先生も川村先生も、健一の周りの人達は皆あまりにも優しい。


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対して木島の周りに集まるのは寂しい人たち。
それはまるで、溶接の炎に吸い寄せられるコガネムシの様。

人間の残酷さや愚かさをとことん見せつけられるのに、エンドロールの「星影の小道」を聴いていると、
不思議と全ての登場人物たちに(木島にさえ)幸せになってもらいたい、と思えてきた。
(警備員は星さんと一緒に黄色いソファを買いに行けばいい。)

<満足度> ★★★☆
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by hasikkoami | 2012-11-29 22:15 | 映画館 | Comments(2)
Commented by mariyon at 2012-12-09 00:37 x
警備員の黄色のソファ。そこを木島が寝ぐらにしたりしたら最低だけど、それでも寂しいよりはいいのか?
たしかに、木島の周りの人間は寂しい。
健一の周りの人は暖かい。。。
けれど、なんで、あんなにプリンに走っちゃうのか?
彼も彼なりに、奥さんを亡くす前から
心に若干の闇を抱えていたかもしれない。
そんなことを考えたり、
細部を思い浮かべたりでした。
Commented by hasikkoami at 2012-12-09 10:20
★mariyonさん、
>警備員の黄色のソファ。そこを木島が寝ぐらにしたりしたら
ああ、それは嫌ですねぇ^^;
小林くんの「あいつ(木島)は俺がいないとダメなんだ」と言う台詞が示す彼らの共依存体質が辛いです。

>彼も彼なりに、奥さんを亡くす前から心に若干の闇を抱えていたかもしれない。
そうですね。もとが健全だったら5年もあの部屋の状態ってことはないですよね。

観終わって時間が経つにつれ、色々なシーンが思い出されて考えさせられる作品でした。
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