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図書館の隣の映画館

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本と映画と時々音楽

「スマイリーと仲間たち」

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ジョン・ル・カレ 村上博基
早川書房 (1987/04 出版)


将軍と呼ばれる老亡命者が殺された。将軍は英国情報部の工作員だった。醜聞を恐れる情報部は、彼の工作指揮官だったスマイリーを引退生活から呼び戻し、後始末を依頼する。


「ティンカ-、テイラ-、ソルジャ-、スパイ 」「スクールボーイ閣下」に続く「スマイリー三部作」の最終章だが
前作「スクールボーイ閣下」の実質的な主人公がスマイリーではなかったこともあって
こちらの方が「ティンカ-~」の続編と言った感じを受ける。

この3部作はいずれも冒頭から一気に惹き込まれ、中盤多少波がありつつも、
終盤怒涛の盛り上がりで一気にクライマックスへ・・・と言う展開だった。
そしてこれまた共通していたのが、そのクライマックスの果てに待つのが
消してカタルシスではないと言う事。

今回も、これまで決して姿を現さず、しかし彼と係わった人たちの証言により
その不気味な存在感を示してきた宿敵カーラの正体がついに暴かれる時の緊張感は
それこそ息をするのも惜しいほどだった。
そしてやはり後に残るのはほろ苦い人生の哀しみ。
3作共、本を閉じた後思わず溜息が零れ、暫くその余韻に浸っていたくなる。
本当に素晴らしいラストだった。
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by hasikkoami | 2012-08-09 06:51 | 図書館 | Comments(0)
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