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図書館の隣の映画館

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本と映画と時々音楽

『裏切りのサーカス』

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公式サイト
2011年 イギリス/フランス/ドイツ
上映時間 128分
監督 トーマス・アルフレッドソン


一度目、あなたを欺く。

二度目、真実が見える。





原作を読む時、あらかじめ映画の配役を軽く頭に入れてから読み始めた。
どの役も比較的簡単に脳内キャスティング出来た中で
一人だけどうしても違和感があったのが主人公スマイリー。
何せ原作のスマイリーはチビ・デブ・短足・丸メガネの優しげで穏やかそうな人物。
ゲイリー・オールドマンより、むしろフィリップ・シーモア・ホフマンに近いと思っていた。
しかしコントロールと共にサーカスを去りレイコンに呼び出されるまでの冒頭のシーンでその考えは覆された。


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物腰、表情、視線、一言の台詞も無いのにゲイリーは完璧にスマイリーだった。


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原作では若干ウザい部分が無きにしも非ずだったコニーも愛らしかった。
「All my lovely boys.」と言いながら写真をなぞるシーンが切なかったわ。
(コントロールの軍服写真欲しい!)


その他のキャストもそれぞれとてもよかったし
内容的にもあの原作をよくここまで整理したよねって位上手くまとめてあったと思う。
確かに解り辛い部分も多かったかもしれないけれど原作は更に複雑ですからね(苦笑)。
アンの顔を最後まで映さないところもよかったし、ロングショットの美しさなど映像的にも申し分なかった。

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そして何より素晴らしかったのは「 La Mer 」1曲分のラスト!
実を言うと一箇所だけどうしても納得出来ないシーンがあって
その所為でずっともやもやしていた気持ちが、この「 La Mer 」で吹っ飛びましたよ!
あえてシャルル・トレネではなく、フリオ・イグレシアス!それもライブバージョン!
もう鳥肌ものの素晴らしさだった。ラストショットのカッコよさでは今年見た作品の中でBEST!

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<満足度> ★★★★☆


おまけ・・・
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原作での私のお気に入りフォーン。
結局台詞は一言も無く、唯一まともに映っていたのが
マイクテストでギラムが詩を朗読するのを聴いているこのシーン。
ターをボコボコにするギラムを止めに入るシーンで力任せにギラムを放り投げたように見えたのは
「これ(ターを殴るの)は俺の仕事だったのにっ!」って思っていたからか?(違)

by hasikkoami | 2012-07-15 13:53 | 映画館