「共喰い」
田中 慎弥【著】
集英社 (2012/01/30 出版)
欲望は、すべて水に還る。少年たちの愛の行方と血のいとなみ。川辺の町で起こる、逃げ場のない血と性の濃密な物語を描いた表題作と、死にゆく者と育ってゆく者が織りなす太古からの日々の営みを丁寧に描いた「第三紀層の魚」を収録。
いや~まさか田中さんの作品を読んで泣くとは思わなかった。
どこがどうって言うのじゃなく、読み終わって本を閉じたらじわっと目の奥が熱くなった。
しかし巷では後味が悪いと評判らしいと知ってびっくり。
確かに読んでる時は決していい気分とは言えないけれど
読後感はそんなに悪くないと思うんだけどなぁ・・・と思う私が変なのか。
併録の「第三紀層の魚」は普通にいい話で、
これとか「田中慎弥の掌劇場」の「読まれない本」や「オムレツ」なんかを読むと
田中さんって案外いい人なんじゃないかと思う。
by hasikkoami
| 2012-06-21 08:26
| 図書館