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図書館の隣の映画館

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本と映画と時々音楽

『Pusher Torilogy』    <UK版DVD>

『ドライヴ』を観てからというもの、ニコラス・ウィンディング・レフン監督が気になる。

『ヴァルハラ・ライジング』は今のところ東京と大阪の2館のみ公開。
これまでの作品で唯一日本版DVDが出ているデビュー作『Pusher』は
近所のレンタル店にはなく、amazonではプレミア価格、と入手困難。

しかしそうなるとますます観たくなるもので
結局『Pusher』3部作の輸入版『Pusher Torilogy』を購入しての鑑賞。


で、これが3作とも面白かった。


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『Pusher』(1996)


「Pusher」とは麻薬密売人を指す隠語。

一つのミスからズルズルと借金地獄に
はまって行く麻薬密売人の物語。



手持ちカメラで撮ったような粗い映像と、月曜から日曜までの1週間を追う構成がドキュメンタリータッチで、
追い詰められてにっちもさっちも行かなくなる主人公フランクの心情がリアルに伝わってくる。
悲惨すぎて滑稽ですらあるラストのフランクの表情が忘れられない。

レフン監督若干25歳のデビュー作、と言うことで全体的にインディーズっぽいけれど
静から動への切り替えや音楽の使い方などは『ドライヴ』と通じるところが多い。
ヒロインがお色気タップリの大人の女ではなく
少女っぽい可憐さを感じさせるのもこれまた『ドライヴ』と同じ。
まあ、(監督の)女性の好みってそうそう変わるものじゃないからね。


<満足度> ★★★★


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『PusherⅡ』(2004)



2作目は前作で主人公フランクの弟分だったトニーが主人公。
設定はおそらく1作目から数年後。




てか、トニー生きてたんだね!
あれだけボコボコにされて、頭から血も流して動かなかったからてっきり・・・^^;
頭の傷が痛々しいけれど、後遺症もなさそうでよかった。

それに前作にも出てきた麻薬組織のボス、ミロと

ミロ: 「そう言や、フランクのヤツはどうしてる?」
トニー:「デンマークにはいないみたいっすよ。俺も暫く会ってないんすけどね。」(超意訳)

みたいな会話もあって、ってことはフランクも生きてるってこと?
これまたてっきり(ミロに)バルト海に沈められたとばかり思ってたよ(笑)

この3部作の主人公たちって、どうしようもない奴らばかりだけど何か憎めなくて
特にトニーは、お馬鹿で下品でヘタレだけど、実はとても無垢で可愛いヤツなんだよね。
父親に認められたくて、愛されたくて・・・
なのに結局は自らの手で壊してしまうトニーが痛々しい;;

「1」から8年経っている所為か、前作に比べ映像が格段にスタイリッシュ。
赤、青、緑、のレフン監督独特の色使いも既に完成されている感あり。


<満足度> ★★★★


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『PusherⅢ』(2005)




3作目の主人公はミロ。設定はさらに数年後か。





ドラッグを扱っているのは相変わらずだけれど、娘の25歳の誕生日を機に
薬物依存から抜け出したいと依存症の集会に通ったりして、かつての勢いは無い。
トラブってかつての右腕で今は堅気になっているラドバンに助けを求めるんだけど
このラドバン、1作目の時も強面なのに妙にフレンドリーで
でも実はコイツが一番怖いんじゃないかと思っていたんだけど
やっぱりものすごーーーく恐ろしいヤツだった。
ラドバンに比べたらフランクもトニーもミロも可愛いもんだ。
R-18、(日本なら)ボカシ必至の過激さとは対照的な、静かで穏やかなラストが印象的。


<満足度> ★★★☆



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by hasikkoami | 2012-05-16 08:15 | お茶の間鑑賞 | Comments(0)
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