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図書館の隣の映画館

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本と映画と時々音楽

「漂砂のうたう」

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木内 昇【著】
集英社 (2010/09/30 出版)
明治10年。御家人の次男だった定九郎は根津遊郭で働いていた。花魁、遣手、男衆…。時代の波に晒され、谷底で生きる人々を描く。


前に読んだ「かたちだけの愛」の主人公相良は
一見非の打ち所のない男の様に思えるが
欠けているものがあるとすれば、それは色気だと思う。
反対にこの作品の主人公定九郎は
何事にも無気力でどうしようもないダメ男ではあるが、何とも言えない色気がある。
そしてそんな定九郎とは対極に描かれる龍造や小野菊もまた色っぽく魅力的だ。
廓を舞台にしながら、その手の色っぽいシーンがほとんど無いにも拘らず
言葉使いや行間の端々から艶やかな色気が零れ落ちてくる。
ラストの花魁道中に向かう盛り上がりと着地も凄く好み。

ただ最近の軽めの時代物にはあまり出てこないような表現が結構出てきて
慣れてない人には読み辛いかもしれないな、と思ったので今回の直木賞受賞はちょっと意外だった。
(”直木賞=エンタメ”のイメージが強いので)
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by hasikkoami | 2011-02-08 09:30 | 図書館 | Comments(0)
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by hasikkoami